○五月一日 (月) 曇 暖
メーデー。
午前中から学校。文科教授と相談。
午後も同じ。「審査請求書」を学長に出す。
学園新聞の原稿発送。
学生大会流会。併し、四、六の兩日ストをやる由。
発信 菅原昌人.
○五月二日 (火) 晴 暖
午食後、学校え行く。
研究室。古林氏、小川氏に会う。河出の原稿を書く。
学生大会。盛大に行われたらし。
夜、雑誌をよむ。
○五月三日 (水) 雨 暖
午食後、新開地え行く。松竹座で「醜聞」をみる。
夜、井上さんを訪う。資料を受取る。
マッカーサーの反共声明。
○五月四日 (木) 曇 暖
午後、栄町の第一銀行え行く。阪急の特急で大阪え行く。菅原氏の所え資料を持って行く。民科えよる。
図書新聞社え返信する。
夜、雑用。
発信 服部一.
受信 図書新聞社、母.
○五月五日 (金) 曇 暖
子供の学校で運動会。家中でかけて、一人るす番をする。
夕食後、今井君の所え行く。
昨夜、「私わ何故追われるか」を書く。七枚なり。
急に暖くなった。蠅や蚊が出て來た。夏のシャツに着かえる。
○五月六日 (土) 曇 冷
午後、学校。今井君から申請者名簿をうけとる。研究室。大黒等來る。河出の原稿を書く。
『図書新聞』の原稿発送。
夜、雑誌をよむ。
発信 菅原昌人.
○五月七日 (日) 晴 暖
午前、岡田氏來る。
午後、外出。元町を歩く。六甲で小田部君に会い、しばらく話す。古林さんの家を訪う。
今日からサンマ―タイム。
夜、雑誌をよむ。
発信 図書新聞社.
○五月八日 (月) 晴 暖
午食後、学校。研究室。『図書新聞』の原稿を書き直して送る。六枚也。住吉の学生來談する。
夜、読書。
発信 図書新聞社.
○五月九日 (火) 晴 暑
午食後、学校。服部君に会う。人事院え出す書類を受取る。
学校から大阪え行く。中央郵便局で人事院えの書類を出す。菅原事務所え行く。井上、多田氏先に來ている。公開審理について相談する。
五月二日、東北大学事件起る。日本の大学にとって重要な段階え來た。
夜、読書。
受信 母.
○五月十日 (水) 小雨 暖
午食後、学校。研究室。河出の原稿を書く。
五時半、山口氏宅。芳村等と相談。
河出の原稿、一部発送。
夜、手紙など書く。
発信 佐藤精也.
受信 佐藤精也.
○五月十一日 (木) 晴 暑
午食後、学校。井上氏等と打合せ。調査団來訪わ来週の水曜。
研究室。原稿を書く。
夜、読書。
発信 母、赤松啓介、自由国民社.
受信 赤松啓介、自由国民社.
○五月十二日 (金) 晴 暖
午食後、学校。
研究室。東北大学の学生來る。原稿。古林さんに会う。
夜、読書。
○五月十三日 (土) 晴 暑
午食後、学校。井上、多田氏等と会う。相談。後、研究室。原稿。
祐二郎と風呂え行く。
漸くスランプを脱しつつあり。
河出の原稿を送る。七枚。
延世と子供等アメリカ博え行く。
夜、雑誌。
発信 鈴木平八郎.
受信 鈴木平八郎、林省吾.
○五月十四日 (日) 晴 暑
午前、山口省太郎氏來る。調査団の打合せ。
午後、服部氏の家え行く。相談。
夕方、井上氏來る。和歌山の件。
夜、『世界』六月号をよむ。
一週間前にくらべると、心理的に相当の差異がある。主体性をとり戻して來た。
○五月十五日 (月) 晴 暑
朝、專門部の学生來る。一緒に学校え行く。
研究室で畫食。細胞え連絡。後、井上、小川氏と共に大阪え行く。服部氏に会う。菅原事務所え行って、菅原氏、浪江氏等に会う。委任状を三通出す。
夜、つかれて休養。
今日、学校でわ文化祭。羽仁五郎等の講演あり。
○五月十六日 (火) 曇 暖
午食後、学校。研究室。新聞部の学生、昨日の羽仁氏の傳言を傳える。古林さんに会う。後、河出の原稿「コーヘエン」を書く。
北大でもイールズ事件起る。
夜、読書。
○五月十七日 (水) 晴 暑
午食後、学校。井上氏と打合せ。
三時、山口氏宅え。津村氏等來る。四時、学校え。初め、自治会と相談。六時、文科教授会の終るのを待って懇談会。九時終了。
原稿「コーエン」を送る。
○五月十八日 (木) 晴 暑
午後、延世、カチューシャ楽団え行く。従って、留守番をする。
カチューシャ楽団の夜の部え行く。港湾労仂会館。六時―九時。永井氏等に会う。
受信 河出書房.
○五月十九日 (金) 晴 暑
午食後、学校。学長に会う。公開審理わ六月一日。
後、研究室。河出の原稿「デューリング」を書く。三枚也。河出のわこれで終り。発送。
夜、生島さん來る。
発信 菅原昌人、服部一.
受信 河出書房.
○五月二十日 (土) 豪雨 冷
午後、暴風雨の中を大阪え行く。二時から労仂学園で民科哲学部会。古在、高桑氏來る。五時終了。
京大の学生來る。
拙稿掲載の『図書新聞』着。ペン一本でも学長をやめさせてみせる。
何年かかってもかたきを打つ。十一人のファンストを追放するまで。
夜、読書等。疲れあり。
発信 京都大学新聞社、図書新聞社、羽仁五郎.
受信 河出書房.
○五月二十一日 (日) 晴 冷
おそく起床。
午後、三の宮の大洋館で「細雪」をみる。満員でわあるが、つまらない作品である。元町を歩いて家えかえる。醇郎が來ている。
大掃除。
夜、「教育の話」を書き始める。
○五月二十二日 (月) 晴 冷
午食後、学校。研究室。
文科教授会。その後の対策委員会に加って相談。
「私の罷免の理由について」を書く。五枚也。
夜、原稿。
少し神経衰弱の気味なり。
発信 寺沢恒信、服部英次郎.
受信 大野敏英.
○五月二十三日 (火) 晴 暖
午後一時、井上さんと共に家を出る。本山で三田氏と一緒になる。大阪え行く。菅原さんの所で打合せ。阪大に伏見さんを訪う。代理人を依頼。民科えよってかえる。六月三日から山陰え行くことにする。
夜、原稿。
大阪外大(高槻市)の学生來る。
発信 東京大学学生新聞会.
○五月二十四日 (水) 晴 暖
一日休養。
午後、ひるね。風呂え行く。
夜、中西氏來る。
東大学生新聞の原稿発送。
夜、『自由国民』の原稿。
発信 永田正臣.
○五月二十五日 (木) 晴 暑
朝、岡田氏來る。
午食後、学校え行く。古林氏等と相談。研究室、原稿。学生來る。
夜、「教育の話」を終る。十八枚也。
○五月二十六日 (金) 晴 冷
午後、学校。三時から対策委員会。六時すぎ終了。
『自由国民』の原稿発送。
服部氏、寺沢氏來る。寺沢氏え電報を打つ。
「大学の自由について」を書く。七枚也。
発信 日本哲学会、大月書店、日本読書新聞、寺沢恒信.
受信 日本哲学会、寺沢恒信、服部英次郎、日本読書新聞、自由国民.
○五月二十七日 (土) 雨 冷
午後二時、山口氏宅え行く。公開審理に関する打合せ。伊豆公夫氏來る。五時終了。元町え行く。買物などする。
夜、井上氏來る。
大阪外大の原稿発送。
夜、雑用。
発信 服部一、睴峻凌三、長谷部作蔵、大井正.
受信 睴峻凌三、長谷部作蔵、大井正、筑摩書房.
○五月二十八日 (日) 晴 暖
一日休養。留守番。子供二人吹田え。のぶよ、「細雪」をみに。
三浦つとむ著『辯證法いかに学ぶべきか』をよむ。書評を書く。四枚也。
学長えの返事を西家氏に托す。
発信 河出書房、学生評論社、図書新聞社.
受信 河出書房.
○五月二十九日 (月) 晴 暖
午食後大阪え行く。民科え行く。菅原事務所え行く。弁護士三人と服部氏と五人で阪大伏見研究室え行く。打合せ。十五名。梅田で井上氏、服部氏と打合せ。十一時近く家えつく。毎日の記者が來ている。
今日から開襟シャツになる。
祐二郎、幼稚園え行く。
日本読書新聞の原稿発送。
発信 亀井健三、鈴木平八郎.
受信 亀井健三、鈴木平八郎.
○五月三十日 (火) 晴 暑
午食後、学校。
三時―五時、「現代哲学の動向」と題する講演。後、打合せ等。
新しい「審査請求書」提出。
夜、雑用。
○五月三十一日 (水) 曇 暑
午後、大阪え行く。民科えよる。伏見さんに会う。敷島ビルで浪江氏、山本氏に会う。六甲えかえる。五時。井上氏等に会う。
夜、雑用。
明日わ公開審理。
受信 寺沢恒信、永田正達、野島義一.