○二月一日（日） 晴 寒
午前、赤松氏きたる。
午後、子供をつれ、しうらく館で「ベルリン陥落」をみる。
夜、原稿。カント関係。
発信 読売年鑑 矢内原伊作 竹内良知
受信 平凡社 読売年鑑 岩波書店
○二月二日（月） 曇 寒
午後、みかげ。みかげから六甲へ。本を整理する。元町へ。買物など。
アイクはがむしゃらに戦爭を拡大する。
小雪がちらつく。最後の寒波か。
こんどは陽子、風邪。
今泉へ原稿依頼。
夜、原稿。
受信 竹内良知
○二月三日（火） 晴 暖
午後、みかげ。齋藤氏、新明氏に会う。
陽子、九度。
夜、原稿。
○二月四日（水） 曇小雨 寒
午後、大阪。心齋橋を歩く。六時、民科。哲学部会。森信成現る。
立春。
○二月五日（木） 晴 暖
午後、みかげ。西村氏と一緒に大阪へ。創元社へ行く。
寒さもゆるんできた。もうそう寒いことはないだろう。峠は越した。
『哲学辞典』も決しておそいわけではない。『社会学辞典』は一年もかかった。『教育学事典』も項目を作り直しをやっている。ただ夏休みにかかるという特殊事情があるからいそぐだけのことである。もう一つの個人的事情としては、この仕事を早くかたずけて他の仕事をしたいということである。
発信 今泉三良
○二月六日（金） 曇 寒
午後、みかげ。小川君等に会う。
永積さん、來週來る。
夜、原稿。「カント主義」、二〇〇字で丁度六枚。一番ながい。
○二月七日（土） 晴 寒
午前、塙金太來る。一緒に元町へ行く。ＡＢＣの地下で晝食。塙と別れてみかげへ。岡田氏に会う。
辞典、アイウエオ順に書き、流れ作業にする。
『社会タイムス』が來はじめる。余り面白くない。『国際』の方が面白い。
夕飯前、子供二人をつれて風呂に行く。
受信 今泉三良
○二月八日（日） 晴 寒
午後、手紙を書く。原稿をアイウエオ順に書く件。
延世、祐二郞、神戸へ行く。
疲労感あり。
夜、原稿。
発信 小川利夫、鈴木照雄、今泉三良、高島徳三、山本晴義、甘粕石介、中村秀、紅松保雄
受信 小川利夫
○二月九日（月） 晴 寒
また寒波襲来。今朝、零下一・五度。
午後、みかげ。
夕方、森信成家へ來る。
ラジオ出來たよし。
夜、原稿。
受信 醇郎
○二月十日（火） 晴 暖
午後、みかげ。服部さん、井上氏に会う。大阪へ。阪急の野田さんからラジオをうけとる。うちへかえってラジオを附ける。かけっぱなし。調子はよろし。
定期を買いかえる。
夜に入って雨。暖い。原稿。
理論社の方はおくれている。しかしそのひまにクライネスをすすめること。校正がくれば又時間をとられるから。
発信 醇郎、本山出張所、
○二月十一日（水） 晴 暖
午後、大阪。阪急で野田さん、山内にあう。心齋橋を歩く。七時、民科。哲学部会。原稿、少しあつまる。
ポリツェルの書評、『東大新聞』に出ている。
夜、森さんの論文をよむ。
○二月十二日（木） 曇小雨 暖
午後、みかげ。
夜、原稿。
二月末にサ行までの原稿をわたす。これは可能である。サ行ようやく先が見えてきた。ぼくの手もとにある項目は十日位あればかたづく。
受信 小川利夫
○二月十三日（金） 曇後雨 暖
午後、みかげ。永積氏に会う。元町へ行き、本屋を歩く。
夜、原稿。つまらない原稿が残った。
五月刊行。二月末にサ行までを創元社にわたす。ぼくの原稿は四、五日で終る。暇があったら、『哲学者の手帖』の編集。『季刊理論』も二、三日中に出るだろう。理論社の方はおくれている。しかし、『クライネス』のためにはそれが幸したともいえる。二月に入って、手があいたから。
アメリカは日本の戦争末期と同じようになってきた。
発信 今泉三良 平凡社
受信 今泉三良 平凡社
○二月十四日（土） 晴 暖
午後、みかげ。森氏來る。天治で永積氏歓迎会（日文協）。
誕生日。お祝いをする。
夜、原稿。
創元社の催促し方にも感心しない点がある。哲学はおそいのではない。創元社内のあつれきがこちらへ轉嫁されただけのことである。良心的にやれば、辞典はそう早く出來るものではない。創元社は経濟的にもしっかりしないし、岩波のように印税を確実に拂うとも云えず、その点この仕事にそう打ち込みえない所以がある。相当の大仕事ではあるが。
○二月十五日（日） 晴 寒
午後、風呂へ行く。原稿催促のはがきを出す。
日曜は子供が家にいてうるさい。
『毎日』の記者、代りの写眞をもってくる。
夜、原稿。
発信 紅松保雄、理論社、三田博雄、鈴木照雄、矢内原伊作、竹内良知
受信 中村秀
○二月十六日（月） 晴 寒
午後、みかげ。西村氏に会う。齋藤氏と一しょに大江氏のところへ行く。
「コーンフォース」の校正が出たよし。
「クライネス」の原稿、みなで約四〇〇枚（二〇〇字で）。約四分の一か。
夜、原稿。クライネスの件を考えねばならない。
受信 理論社
○二月十七日（火） 曇 寒
コーンフォースの校正、八三頁まで來る。
午後、みかげ。元町へ行く。ニッサンで「女ひとり大地を行く」をみる。面白い。外に二本、これは又ひどくつまらない。
夜、毛沢東などをよむ。
○二月十八日（水） 晴 寒
午後、みかげ。みかげから大阪へ。民科。哲学部会。
夜、雜用。
発信 山本晴義 高島徳三
受信 竹内良知
○二月十九日（木） 晴 寒
午後、みかげ。西村氏に会う。
コーンフォース、校正全部くる。二〇六頁。
校正、前半をみる。
発信 笹川儀三郎 竹内良知 中村秀
受信 高桑純夫
○二月二十日（金） 晴 寒
午後、家にいる。風呂へ行く。
コーンフォース、校正の前半を送る。原著者の日本訳への序文來る。
疲れを感じる。
夜、コーンフォースの前文を訳す。
発信 今泉三良
受信 小宮山量平
○二月二十一日（土） 雪 寒
珍しく雪がふる。
午後、みかげ。訳文の訂正。みかげから大阪へ。中座で歌舞伎をみる。片岡仁左衛門外。九時終了。
夜、校正をみる。
○二月二十二日（日） 晴 寒
午後、大阪。民科臨時支部大会。
夜、校正をみる。終り。悪い訳ではない。
紘一郎、風邪。
発信 小宮山量平 山本晴義
○二月二十三日（月） 曇 寒
午後、みかげ。百瀬氏に会う。図書の件。
校正を送る。コーンフォースはこれで一段落。
道家氏からゼーガースの訳の寄贈あり。
夜、辞典の原稿をみる。心理学の長いのには困る。
発信 中村秀 鈴木照雄 道家忠道
受信 武田弘道
○二月二十四日（火） 曇 暖
午後、みかげ。みかげから六甲へ。海道さんに会う。古林さんと一緒に六甲ガーデンによる。
夜、辞典原稿。
発信 社会タイムス 今泉三良 服部英次郎
○二月二十五日（水） 雨 暖
午後、大阪。民科。哲学部会。
夜、原稿を見る。
この数日がんばったので疲れが出た。
○二月二十六日（木） 晴 暖
午後、みかげ。みかげから山本晴義君のところへ行く。
サム気、発熱。風邪。早くねる。
○二月二十七日（金） 晴 暖
一日中臥床。午前、八度四分。ダイアジンをのむ。
小宮山氏から手紙。三月十日―十五日、コーンフォース刊行。
発信 小宮山量平
受信 小宮山量平 大村晴雄 今泉三良
○二月二十八日（土） 晴後雨 暖
一日中臥床。午前、八度五分。午後、七度六分。段々よくなってはいる。昨日と今日ダイアジンをのむ。
吉田の放言、「ばかやろ」。
発信 竹内良知
受信 竹内良知