○二月一日 (土)    晴 寒

午前十時、学校。職場大会。報告。委員の辞職はみとめられず。

十一時、講堂で生徒に報告。

午後二時、師範。高専校教員組合中央委員会。文聯へよる。

受信 実業之日本社.

 

○二月二日 (日)    曇 寒

一日中休養。相当の疲勞あり。

発信 母.

受信 須田宗興.

 

○二月三日 (月)    雪 寒

久し振りで授業。一年、文二、共に話。

午後からずっと家にいる。ひるね。

夜、富沢外一人來る。

漸く気分も良くなって來た。

三年は三、四、五の三日間試験。

 

○二月四日 (火)    晴 寒

午前十時―十一時、婦人文化学院で講義。経験論の話。学校えかえる。

午後、外出。東邦製薬、橋倉氏、文聯、共同書籍えよる。

サムケ甚し。早くねる。発汗。

 

○二月五日 (水)    晴 寒 立春

朝、恐ろしく寒い。

午前十一時、学校え行く。世話部の人來る。

午後零時半から卒業式。少し時間をかりて生徒に挨拶する。一時少しすぎ終了。記念撮影。

三時―五時、ホールで庭球部の送別会。

今日もやはり不快である。

発信 母、橋本源藏、日本読書組合.

受信 母.

 

○二月六日 (木)    晴 寒

午前、家にゐる。

午後、学校。二時半から教授会。五時、寮へ行く。六時から晩餐会。九時歸宅。

夜、悪寒、発汗。

 

○二月七日 (金)    晴 暖

一日中家でチツ居して静養。

今夜初めて悪寒せず。

夜、萩生、沼沢、立花、小川がくる。

発信 橋本源藏.

 

○二月八日 (土)    晴 暖

午前、家にいる。

午後二時、ホール。社研の送別会。四時、共同書籍へ行く。大熊さんに会う。

夜、生徒二人來る。

発信 毛利芳子.

 

○二月九日 (日)    曇 寒

午前、家にいる。和郎來る。

午後一時、教育会館。組合講座。三時まで。

夜、雑用。

 

○二月十日 (月)    曇 寒

午前、学校。二校時、弁証法の話。三、四校時は休みにして成績表を作る。

午後二時半から三年生の及落会議。四時終了。

徳永直著“太陽のない街”読了。

風邪がぬけない。

受信 帝国大学新聞.

 

○二月十一日 (火)    曇後雪 寒

午前、鈴木と新関がくる。

午後二時、産別。ソヴィエト研究会。四時半終了。

発信 醇郎、母、第一生命、仙台振替貯金課.

受信 醇郎.

 

○二月十二日 (水)    曇小雨 寒

午前十時、教育会館。教育委員会。午後二時終了。

濟生館へ行って高波さんに診て貰う。別に悪い所はない由。

夜、雑用。今日は概して気分悪し。

発信 毛利芳子、村山俊太郎、帝大新聞、須田宗興.

発信 村山俊太郎.

 

○二月十三日 (木)    雪 寒

午前、学校。

午後二時半―四時、教授会。

注射第四回目。

“改造”新年号およむ。

受信 毛利芳子.

 

○二月十四日 (金)    晴 寒

午前、学校。“勞働協約書”を作る。

午後、外出。東邦製薬、文聯、山新、遠藤、共同書籍えよる。

漸く身体の具合もよくなって來た。

受信 本田喜代治.

 

○二月十五日 (土)    曇 暖

文二、換位法。

午後二時―四時、校友会總会に出る。共同書籍え行く。古書即売あり。

発信 母、林省吾、本田㐂代治.

受信 母、日本読書組合.

 

○二月十六日 (日)    小雪 寒

午前、雑用。

午後一時、教育会館。一時半―三時、組合講座。

毛利芳子さん來訪。

共同書籍え岩波文庫13冊持って行く。

実業之日本社の原稿“個人”お書き始める。

 

○二月十七日 (月)    雪 寒

午前、一年、話。生徒わ全く不活溌である。文二、換質換位。

午後二時半―四時半、委員会。勞働協約。共同書籍え行く。本代お受取る。

発信 母.

受信 母、高橋義大.

 

○二月十八日 (火)    晴 寒

午前十時―十一時、婦人文化学院。

午後二時半から總会。勞働協約の件。五時終了。後、宿直室で委員のコンシン会。

 

○二月十九日 (水)    晴 暖

午前、学校。常木氏の件。

午後、霞城館で“我が道を行く”お見る。今年始めての映畫である。

夜、社研4人來る。

“理想”“建民”夫々一月号來る。拙稿あり。

受信 毛利芳子.

 

○二月二十日 (木)    晴 寒

午前、学校。雑用。

午後二時半から教授会。後、組合教官部会。

五時半、深町さん、土屋氏ととも亀楽へ行く。十時家えかえる。

宮川訳“資本論”(第一巻)、“理論”創刊号着。

 

○二月二十一日 (金)    小雪 寒

午前、学校。

午後一時、国鉄クラブえ行く。文化講座。山新、共同書籍えよる。

夜、立花がくる。

発信 高橋義大、本田㐂代治.

受信 本田㐂代治.

 

○二月二十二日 (土)    曇 寒

午前、文二、直接推理終り。

午後からずっと家にいる。

事務員の封建頭わどうにもならない。

久し振りで入浴。

夜、鈴木、山口がくる。

発信 母、本田㐂代治.

受信 実業之日本社、須田宗興.

 

○二月二十三日 (日)    曇 暖

午前、“理論”などよむ。

午後一時、山新講堂。民科講演会。深町さんと野島さん。途中から女子附属え行く。教協改組の件。山新えかえる。座談会五時終了。

夜、雑用。

発信 村上三治、甘粕石介.

受信 米山震吉.

 

○二月二十四日 (月)    晴 暖

午前、文二、練習問題。一年、討論。

午後三時―五時、土屋氏のインフレの話。教員組合の行事。

夜、雑用。どうも雑用が多くてかなわん。

今日で余の授業わ終り。

この二、三日暖くなった。雪がしきりにとける。

発信 放送協会、日本読書組合、社会科学良書研究会.

受信 放送協会、都新聞社.

 

○二月二十五日 (火)    雪 寒

午前十時―十一時、婦人文化学院。カントの話。共同書籍えより、学校えかえる。

午後からずっと家にいる。資格審査調査表お書く。うるさいものである。

もちおつく。

都新聞の原稿“友愛とゆうこと”お書く。4枚也。

発信 大村三良、都新聞社、仙台振替貯金課.

受信 大村三良、本田㐂代治.

 

○二月二十六日 (水)    晴 寒

午前、学校。

午後、外出。兩銀えよる。文聯えよって打合せ。公同書籍えよる。散髪。

都新聞え原稿お送る。

“個人”の原稿、久し振りで又書き始める。

発信 本田㐂代治.

 

○二月二十七日 (木)    晴 暖

午前、家に居て原稿お書く。

午後、学校。二時半から教授会。後、組合委員会。勞働協約と校長の件。

夜、雑用。原稿。

発信 布川角左衛門、須田宗興、大村三良、米山震吉.

受信 母、哲学会会計.

 

○二月二十八日 (金)    曇 寒

午前、学校。今日で授業わ終り。明日わ質問日。三月三日―八日、試験。

午後二時半から校長推セン委員会。後、花岡さんと一緒に街へ行く。共同書籍えよる。

夜、原稿。

発信 和郎、母.