○九月一日 (土) 晴 暑
午後、大阪。山内の所えよる。民科えよる。
公開審査の策をねる。
発信 寺沢恒信.
受信 母.
○九月二日 (日) 晴 涼
朝夕涼しくなった。
午後、井上さんと一緒に今井君を訪う。微熱が出る由。歴史家としての将来について話す。
発信 伏見康治、民科.
○九月三日 (月) 晴 暑
午後、学校。赤松、普來る。文科教授会。従來の方針を再確認。これわ重要なことである。
○九月四日 (火) 晴 暑
午後、学校。庶務課長と会う。参考人の件。研究室。小川氏、引越し完了。御影分校え行く。小川君に会う。
今井氏、学校え來る。よほどあわてたとみえる。
服部氏え電報を打つ。四ジイゴマツという返電がくる。
発信 末永隆甫、母.
○九月五日 (水) 晴 涼
午後一時すぎ家を出る。阪急えよる。市電で上六え。午後四時奈良着。女子大え行く。服部さんに会う。官舎え行く。後から竹内氏來る。
八時五十分奈良発の電車で去る。十一時家えつく。
○九月六日 (木) 晴 暑
午後、井上さんと一緒に学校え。二時から対策委員会。荒木、小川、伊藤、阿部、小島、青木、則武、多田、武市、井上、小松等。服部さんの件。評議会、理由を示さずして之を拒否。六時頃から学長と会見。後、対策委員で相談。決裂と決定。かえりに井上さんと一緒に古林さんの所えよる。
北村さん、盲腸炎の由。
延世、少し熱が出る。
○九月七日 (金) 晴 暑
午後十一時、学校。阿部氏、井上氏とともに学長に会う。服部氏の件。
午後、三人で大阪え行く。後から小川氏來る。又、三人で古林さんの所え行く。後から武市氏、多田氏來る。9日の公開審査中止。緊急評議会。
○九月八日 (土) 曇 暑
午前十時、御影分校。小川、多田、井上、阿部、古林。
午後、六甲。則武來らず。俸給。御影えかえる。ジュニア、文科教授会。
夜、雑喉來る。
明日の策を考える。成功するかどうか分らない。
今日でサンマ・タイムわ終り。
○九月九日 (日) 雨 冷
午前十一時、六甲。阿部氏、井上氏等來る。
午後二時、学長の説明あり。三時から評議会。九時少し前終了。遂にヒメンときまる。
伏見氏、服部氏、内海氏、西川氏等。
小川氏、井上氏と一緒にかえる。今後わ問題わ文科教授会に移る。
受信 近藤忠義.
○九月十日 (月) 曇 冷
午後一時、阪急六甲。近藤氏に会う。一緒に御影分校え行く。教授会あり。根本問題に入らず。後、juniorの教官と近藤氏とコンダン会。
受信 末永隆甫.
○九月十一日 (火) 曇 冷
午後、御影分校え行く。小川君に会う。六甲え行く。井上さんと一緒に古林さんに会う。文科の教授会についての対策。かえりに又御影えより、小川君と打合せ。
○九月十二日 (水) 晴 暖
午後、六甲。一時から対策委員会。二時から文科教授会。途中の休憩のとき出席する。学長出席の由。つるしあげ。
発信 寺沢恒信.
○九月十三日 (木) 晴 暑
午後、六甲。赤松等來る。古林さんに会う。9月15日附で発令の予定の由。退職金の件。普と一緒に御影え行く。小川君に会う。
夜、赤松が審定書を持ってくる。井上さん來る。
古林さんも一度ころんだから立上れない。たたかう意志がない。余り信用出來ない。古林さんのために惜しむ。
発信 末永隆甫.
○九月十四日 (金) 曇小雨 暑
午後、大阪。阪急で池田氏に会う。一緒に菅原事務所え行く。後から小川氏、井上氏來る。菅原氏に会う。
人事院に提訴せよという菅原氏わ正しい。併し、文科教授会にもう少し考えさせる必要わある。
昨夜、事務局長、書類をもって上京の筈。
今日、学長、学生を集めて話をした由。
発信 成田日出雄.
○九月十五日 (土) 曇後雨 冷
午前十一時、学校。服部さん來る。阿部、山川、井上、池田、青木、多田。
散髪。入浴。
公開審査わ開いても一回だけの予定だった由。そうみれば、服部問題がよく分る。
組合の執行委員会。学長出席。
発信 大山勲.
○九月十六日 (日) 晴 涼
午後、末永さんの所え行く。文砦えよる。山口氏の所え行く。不在。御影分校え行く。小川君に会う。
きびしくなれば、脱落者、裏切者の出るのわ当然である。二年間続いたことわ偉大である。
発信 名和統一、芳村進、醇郎.
受信 豊川徳郎.
○九月十七日 (月) 晴 冷
午後、六甲。研究室。普がくる。文科教授会。未決定。服部氏の書翰。
審定書來らず。法律問題検討中であろう。人事院あたりで違法ということになれば面白い。9月15日附で発令わ不可能であろう。
受信 佐木秋夫.
○九月十八日 (火) 曇 冷
午後、大阪。山内の所えよる。浪江事務所え行く。浪江さんに会う。報告等。民科えよる。久し振りで成田氏に会う。
審定書の件。人事院で頑張れば面白いのだが。多分押切るだろう。
考えてみれば、瀧川問題わ甘いものであった。今度の問題わはるかに深刻且つ重大である。
○九月十九日 (水) 晴 暖
午後、六甲。近協大学部、学長え抗議申込みに來る。内海氏に会う。
六甲から御影え。小川君に会う。小川君と一緒に醇郎の家え。母が來ている。小川君に事情を話して貰う。
これで負けたとわ思わない。これから二回戦。
発信 寺沢恒信.
受信 寺沢恒信、母.
○九月二十日 (木) 晴 冷
午後、御影。小川、三田、青木氏等に会う。小川氏と共に大阪商大え行く。名和氏來らず。無為にして去る。
審定書來る。西家氏が届ける。学長わ会おうとも云わない。Facistわひどいものである。
発信 豊川徳郎、雑喉潤、伏見康治、末永隆甫.
○九月二十一日 (金) 晴 冷
午前、六甲。庶務課長に会う。小川氏、井上氏と共に大阪え行く。菅原氏に会う。水曜の教授会に出て貰うことにする。
9月15日附で発令。恐ろしく手廻しわいい。退職金わ来週中に出る由。しかしうっかり受取れない。
陸井君、久し振りで來る。
発信 寺沢恒信、内海義夫.
○九月二十二日 (土) 晴 冷
午後、末永氏の所え。不在。御影分校え。小川君等に会う。
六時、大阪民科え。幹事会。報告をする。九時終了。
留守中に陸井氏等來る。
解職辞令書等、西家氏が届けてくれる。
発信 名和？一.
○九月二十三日 (日) 晴 涼
午後、母、醇郎來る。夜、井上さん來る。色々話をして貰う。
発信 雑喉潤.
○九月二十四日 (月) 曇小雨 冷
午後、末永氏の所え行く。留守。御影分校え行く。小川君に会う。服部さんからの話を聞く。小川君と一緒に古林さんを訪う。あしやえ行き、原光雄氏を訪う。原氏の話わ具体的であって、参考になる。
○九月二十五日 (火) 晴 暑
午後、六甲。陸井君に会う。四時半、菅原事務所え。小川君先着。六時、小川君と一緒に大阪商大(八幡筋)え。名和氏、末永氏に会う。心齋橋でコーヒーをのむ。
○九月二十六日 (水) 雨 冷
午前十時半、阪急六甲山口氏宅え。民科調査団、尾崎氏、三浦氏來る。二人先え行く。正午研究室え。
午後、尾崎氏、三浦氏來る。普、大黒等來る。文科教授会。菅原氏の説明あり。菅原氏と一緒にかえる。後で、井上氏家え報告に來る。兵教組から金をかりる話。
退職金を持ってくる。受取らず。
○九月二十七日 (木) 晴 暖
午前、母、吹田え去る。
午後、御影分校え行く。小川、井上、青木氏等と相談。人事院わ困難である。文科の弱体化。文科長のnegativeな動きわ大きい。
Facistというのわ全くひどいものである。
○九月二十八日 (金) 晴 暖
午後、六甲。井上さんと一緒に庶務課長に会う。退職金の件。末永さんの所えよる。留守。御影分校えよる。小川氏、多田氏とともに相談。
組合の弱体化。委員長のnegativeに動くのわ大きい。文科も同じ。学生も同じ。これが神戸大学の実体であろう。
発信 鈴木平八郎、大山勲.
受信 鈴木平八郎.
○九月二十九日 (土) 曇小雨 暖
午後、六甲。陸井氏來る。一緒に御影え行く。対策委員会。辞退に決定。
神戸の文科もくさっていた。もう魅力わない。将来、神戸大学で來てくれと云っても行かない。
発信 寺沢恒信.
受信 内海義夫.
○九月三十日 (日) 雨 冷
午後、大阪え行く。阪急で山内に会う。
久し振りで入浴。
文科教授会えの申入れを書く。井上さんにみて貰う。