○一月一日（木） 晴 寒
午後、祐二郞をつれて元町へ行く。生田神社であめをかう。ことぶきによる。
『季刊理論』の原稿書き終る。二〇枚。
発信 小宮山量平
受信 年始狀、二五、
○一月二日（金） 晴 寒
午後、青木君を訪う。一緒に大阪へ行く。千日前を歩く。『理想』一月号を買う。
『季刊理論』の原稿を送る。
今日から炬燵をかける。
夜、年始狀をかく。
発信 甘粕石介 道家忠道 山崎正一 大江秀雄、外七、
受信 年始狀五、
○一月三日（土） 晴 寒
一日中家にいて休養。
延世、陽子、吹田へ行く。
夜、年始狀を書く。その他雜用。
発信 小山弘健 矢内原伊作 今泉三良 外、十一、
受信 小山弘健 外、四
○一月四日（日） 曇 寒
午後、古林さんの所へ行く。不在。元町を散歩してかえる。
どうも正月は面白くない。だいぶ疲れも感じる。
『関大新聞』の原稿を書く。六枚。
発信 小川利夫
受信 小川利夫
○一月五日（月） 曇後雨 寒
午後、みかげ。官庁御用はじめ。青木君がきている。古林さんの所へ行く。不在。去る。
『関大新聞』の原稿発送。
ふたたび『哲学辞典』にかえる。
発信 木村誠 岩橋久夫 塙書房 紅松保雄
受信 木村誠 岩橋久夫 母
○一月六日（火） 曇 寒
午後、祐二郞をつれて六甲の研究室へ行く。閑散。かえりに海道さんの所へよる。不在。スター書房、南天莊、三角へよる。国道電車で青木君に会う。
留守中に古林さん來訪。
夜、原稿。
発信 年始狀四、
受信 年始狀七、
○一月七日（水） 曇小雨 寒
午後、みかげ。古林さんの所え行く。病臥中を面会。
渡辺氏から原稿來る。
夜、辞典原稿。
発信 渡辺義晴
○一月八日（木） 晴 寒
午後、みかげ。井上氏來る。青木君と一緒に大阪へ。人出多し。
夜、原稿。小項目を書く。
この頃は夜、室内で大体九度である。暮頃よりは二度低くなった。
発信 竹内良知
受信 竹内良知
○一月九日（金） 晴 寒
午後、みかげ。辞典の件。
ペキンのguozi shudian へ手紙を出す。
小島君から『レ・コミュニスト』を貰う。
夜、原稿。
受信 理論社
○一月十日（土） 晴 暖
午後、祐二郞をつれて小路湯へ行く。久しぶりに風呂へ入る。目方四五キロ。だいぶ減った。
夕食後、井上さんを訪う。
『レ・コミュニスト』をよむ。
受信 道家忠道
○一月十一日（日） 曇後小雨 暖
午後、阪急会館へ行って、「キリマンジャロの雪」をみる。元町を散歩してかえる。
夜、原稿。辞典の原稿も中々しんどい仕事である。
発信 大阪向陵会
母 今泉三良 紅松保雄
○一月十二日（月） 曇 寒
午後、みかげ。紅松君に原稿依頼。
夜、原稿。唯物論関係は大体終る。
近頃の気持としては、必ずしも無理をして大学へもぐり込もうとは思はない。頭の悪い学生に講義をしたり、入学試験などで使われるのは面白くない。ペンでやって行ければその方が面白い。幸にまだストックもかなりあることであるから、どうやらペンでやって行けると思う。
発信 新女性社 母
受信 山崎正一 理想社
○一月十三日（火） 晴 寒
午後、みかげ。
寒波襲來。
夜、原稿の見直し。今迄集った原稿、二〇〇字で約一五〇枚。全部を一、五〇〇枚とすれば一割。
夜、室内六度。
○一月十四日（水） 晴 寒
午後、大阪。山内の所へよる。五時、民科。哲学部会。毛沢東を再びはじめる。
寒風強し。
『経営学辞典』は参加六十人。もう印刷にかかっているよし。『哲学辞典』もこの方法を学ぶべきである。
夜、五度。今迄で一番寒い。
○一月十五日（木） 晴 寒
午後、風呂へ行く。
山崎氏から原稿來る。夜、山本氏原稿を持ってくる。
発信 山崎正一
○一月十六日（金） 晴 暖
昨日の朝、神戸、零下一・八度。平年より三度ひくい。
午後、みかげ。みかげから大阪へ。創元社へ行く。西野氏、西村氏と共に梅田を歩く。
『図書』一月号着。ディーツゲンの書評あり。
夜、雜用。
○一月十七日（土） 晴 暖
午後、大阪。六時、民科。原光雄氏の話。十時終了。約三十人。
夜、毛沢東をよむ。
○一月十八日（日） 晴 暖
午後、ニッサンで「女といふ城・ひめゆりの塔」をみる。
ハタにコーンフォースの広告あり。
『哲学者の手帖』のプラン。
夜、辞典原稿。
陸井、青木、小島、伊藤、いずれもアプレの弱さをもっている。
○一月十九日（月） 晴 暖
道家氏から原稿來る。
午後、みかげ。長倉氏に会う。
夜、辞典にかんする雜用。
発信 道家忠道 阪大北校
○一月二十日（火） 晴 暖
ひる頃醇郎きたる。
午後、みかげ。みかげから六甲へ。海藤氏に会う。研究室の「岩波文庫」を整理する。だいぶなくなったのがある。
夜、毛沢東等。
アイク、大統領になる。
発信 社会思想研究会
受信 社会思想研究会
○一月二十一日（水） 晴 暖
午後、みかげ。みかげから大阪へ。六時、民科。哲学部会。
武市はヒステリー。関西学院へ行く由。
○一月二十二日（木） 曇 寒
午後、みかげ。みかげから六甲へ。本を整理する。
風邪気。
夜、平凡社の原稿。
発信 図書新聞社
○一月二十三日（金） 晴、あられ 寒
風邪。一日中臥床。
夜、平凡社の原稿。
今日はよく飛行機がとぶ。アイクが何かはじめるかも知れない。
○一月二十四日（土） 晴 寒
午後、みかげ。日文協。「眞空地帯」と「ひめゆりの塔」の批評会。のち、青木、楠目氏等と天治へ行く。
社会思想研究会の校正來る。
夜、七度四分。
『神戸大学新聞』に推薦図書を書く。
武市が関西学院へ行くのはいいことである。あの位いやらしい人間はない。イデオロギーはとにかくとして。僕の復歸も日程に上るであろう。学長改選をめがけて。
発信 西村勝彦
受信 醇郎
○一月二十五日（日） 曇 暖
一日臥床。午後、六度八分。夜、七度。コルゲンをのむ。
理論社から校正がこない。
夜、「マルクスの弁証法」の校正をみる。
○一月二十六日（月） 曇 暖
昨日と同じく家にいて休養。
祐二郞、八度。
午後、七度。
左足のできものいいらし。
夜、「マルクスの弁証法」の校正、終り。平凡社の原稿も書く。
発信 醇郎 社会思想研究会 大教組 毎日神戸支局長
○一月二十七日（火） 曇 暖
午後、みかげ。長倉、齋藤氏にあう。西村氏と創元社の件について。
風邪もいいらし。
『関大新聞』着。
中村秀氏に原稿依頼。
社会思想研究会へ校正を送る。
夜、平凡社の原稿、終り。
受信 小山弘健
○一月二十八日（水） 晴 暖
午後、大阪。山内の所へよる。市大理工学部へ行き、醇郎に会う。ラジオの話。六時、民科。哲学部会。
平凡社の原稿を送る。
母から小包來る。
アイクは冒険をはじめるにちがいない。そして失敗する。
発信 小山弘健
受信 母 山崎正一
○一月二十九日（木） 晴 寒
午後、みかげ。長倉氏と一緒に六甲へ行く。売る本の記入。
祐二郞、よろし。延世、風邪。
夜、「歴史について」を書く。四枚。
○一月三十日（金） 晴 寒
午後、風呂へ入る。床屋で散髪する。夜、原稿。ふたたび『クライネス』にかえる。
延世、まだ治らず。
発信 理論社
○一月三十一日（土） 晴 寒
午前、西野氏來る。
午後、みかげ。樺氏に会う。
コーンフォースを理論社へおくる。
夜、カント関係の項目にかヽる。予想より早く書けそうである。これからは主としてシュミットによって早く片づけることにする。中世関係の項目を今泉に依頼する。関連のあるのはカント関係だけで、あとは断片的なもので書きやすい。
二月は、コーンフォースの校正もくるし、相当いそがしい。
山本氏の所えよる。ギリシア関係の原稿。
発信 理論社 今泉三良、
受信 理論社 小宮山量平