○五月一日(木)  晴 暖
  午後、三の宮へ行く。定期を買う。流泉へよる。
  陽子、メーデーに行く。
  戦後最大のメーデー。
  午後、入浴。
  『迷路』をよむ。
  受信 鈴木亨

○五月二日(金)  晴 暖
  午後、みかげ。楠さんから研究室の件を聞く。
  「笑い」を書く。送る。
  発信 淸水正徳 鈴木亨 横山智子 宮原克己
  受信 淸水正徳

○五月三日(土)  曇後雨 冷
  午後、散髪。本山写眞室で写眞をとる。三の宮へ行く。
  「政界往來」の原稿書きはじめ。
  発信 亀井蔀 三上陸
  受信 横山智子

○五月四日(日)  晴 冷
  午前、兒玉医院。
  午後、祐二郞をつれて元町の壽へ行き、テレビを見る。大相撲初日。栃錦まける。
  『新讀書』『人民』着。共に拙稿あり。
  原稿書く。
  発信 苺書房

○五月五日(月)  晴 暖
  午後、三の宮。阪急会館で「悲しみよこんにちは」を見る。
  原稿を書く。

○五月六日(火)  晴 冷
  午後、三の宮。延世の定期を買う。みかげへ行く。猪井さん等に会う。笠井さんに会う。
  又、セキが出る。今朝寒かったからだろうか。
  原稿を書く。
  延世、今日からタイプをならいに行く。
  受信 宮原克己

○五月七日(水)  晴 暖
  午前、兒玉医院。診察してもらう。喉があれてる。胸はよし。
  午後、みかげ。淸水君、宮原さん等に会う。
  区役所へ行き、補充名簿の申請をする。
  「悲しみよこんにちは」を書く。
  原稿を書く。
  「悲しみよこんにちは」をよむ。
  十二日の教授会に出せばいいのに、なぜ二十六日にするのだろうか。選擧後にするという意味だ。
  発信 亀井蔀 秋田和美 三上陸
  受信 亀井蔀 鈴木亨

○五月八日(木)  曇小雨 暖
  一日休養。夕方、靑木へ行く。テレビを見る。
  山口さんから薬着。
  セキ、大体いい。
  『政界往來』の原稿終り。二〇枚。
  『世界』をよむ。
  受信 元濱清海 山口栄子 国際新聞

○五月九日(金)  晴 暑
  午後、みかげ。永積さんに会う。永積さん、井上さんへ行く。
  流泉へ行く。
  夜、入浴。
  「国際」および「政界往來」の原稿を送る。
  受信 秋田和美 前原聿江 国際新聞 苺書房

○五月十日(土)  晴 暖
  午後、本山写眞室で写眞をうけとる。
  大阪へ。六時、秋田さんの所へ。哲学研究会。
  東大、明大に勝つ。
  発信 平凡社
  受信 平凡社 日本哲学会

○五月十一日(日)  雨 冷
  午前、兒玉医院。明日レ写眞をとることにする。
  午後、日文協第七回大会。五時終了。のち天治で懇談会。
  明日の選擧で文学部が変るらしい。猪野さんの話。
  「新しい道徳・そのバックボーン」を書く。「国際」へ送る。
  受信 三上陸

○五月十二日(月)  曇 寒
  午前、東灘保健所でレントゲン写眞をとる。一旦家へかえる。
  午後、流泉。みかげ。
  井上さん、部長に当選したよし。ぼくの件を大体きまったよし。六月一日からのよし。
  『悲しみよこんにちは』をよむ。
  受信 竹村英輔

○五月十三日(火)  晴 冷
  午後、みかげ。小川さん、阿部さんに会う。阿部さんの甘さ。
  『悲しみよこんにちは』讀了。
  きさらぎ会の件。学長が何を考えているのか分らない。彼の甘さがあるようだ。
  受信 横山智子 関西哲学会

○五月十四日(水)  曇 冷
  午前、保健所で写眞をうけとる。兒玉医院へ行く。写眞、よろし。みかげへよる。猪野さん、松谷さん等に会う。
  午後、入浴。
  井上さんから山手の件をきく。ようやくわが家も順序がついたらし。
  『前衛』(六月号)に『弁証法讀本』の批評が出ている。二ページ。
  『前衛』をよむ。どうにも固い。
  発信 関西哲学会
  受信 小林延子 政界往來

○五月十五日(木)  雨 冷
  午前、兒玉医院へ電話をかける。レ写眞のこと。心配ありません。
  午後、元町。眼鏡院へ行く。メガネを注文する。
  鶴見俊輔氏から『アメリカ思想から何を学ぶか』の寄贈あり。
  『人民』の原稿、書きはじめ。
  発信 船山信一 亀井蔀 三上陸 鶴見俊輔、

○五月十六日(金)  晴後雨 暑
  午後、富士銀行。みかげへよる。閑散。昨日から開学記念祭。三の宮へ行く。
  レントゲン写眞を兒玉さんからかりてくる。
  「沖縄島」を書く。送る。
  発信 法律文化社 瀧沢克己 鈴木亨
  受信 秋田和美 瀧沢克己 法律文化社

○五月十七日(土)  晴 暖
  午後、竹村英輔來る。
  祐二郞と靑木へ行き、テレビを見る。栃錦の優勝きまる。
  原稿、少し。
  発信 醇郎
  受信 小松松男

○五月十八日(日)  晴後曇 暑
  午前十時、大阪行。小松、成瀬、杉島夫妻、神谷、中島、宇田の七人。小林延子さんは大阪駅まで來たが、歸る。近鉄で尼ヵ辻へ行く。スイニン(?)天皇の御陵で休む。晝食。唐招提寺、薬師寺を見る。西大寺駅へ。秋篠寺で休む。近鉄で奈良。国鉄関西線でかえる。九時家へつく。
  歯がいたむ。
  早起テスト、体力テスト。
    ゆく秋の 大和の国の 薬師寺の 塔のうえなる ひとひらのくも 佐佐木信綱

○五月十九日(月)  雨 冷
  午後、みかげ。猪野さん、川辺さんに会う。
  やはり昨日の疲れがあるようだ。
  『人民』が『人民公論』となる。
  原稿。
  発信 秋田和美
  受信 三上陸

○五月二十日(火)  曇 冷
  午後、みかげ。永積さん等に会う。
  靑木書店から『教育学』がくる。
  原稿。
  平凡社へ原稿「ミ-チン」を送る。
  流泉へ行く。女の子が『弁証法讀本』を買って行く。
  これからは井上、永積ラインが文学部をリードすることになろう。いいことである。來年も何とかしてくれるだろう。
  受信 三上陸

○五月二十一日(水)  晴 暑
  午前、兒玉医院。みかげ。猪井さんに会う。
  午後、国際松竹で「夜の波紋」を見る。きれいな映畫。
  秋田さん、たしかに異常だ。
  夜、入浴。
  発信 古川雅章 醇郎
  受信 秋田和美 醇郎 大阪中央放送局

○五月二十二日(木)  曇 暑
  午後、投票。京都へ。三時半、法律文化社へ。亀井さんに会う。「哲学史」の件。京都の街を歩く。九時家へつく。
  発信 大阪中央放送局 山口栄子
  受信 秋田和美

○五月二十三日(金)  曇 暑
  午後、流泉書房。みかげへ。宮原さん、猪井さんに会う。研究室の引越し。「史料室」ができる。廊下で今井さんに会う。
  歯医者へよる。
  選擧の結果、解散前と余りかわらない。
  原稿。
  発信 国際新聞
  受信 瀧沢克己 国際新聞

○五月二十四日(土)  晴 冷
  午後、みかげ。理論部会。野間宏の書物『文学の方法と典型』について。七人。
  歯医者へよる。
  「逆コース」を書く。送る。
  原稿。
  受信 秋田和美

○五月二十五日(日)  晴 暑
  午前十一時、元濱君の所へ行く。瀧沢さん、鈴木君、淸水君がいる。雜誌の相談。
  午後、上六、浪速莊へ。民科哲学部会。山本君の「道徳教育」の報告。瀧沢さんの報告(『現代思潮』第四号)。五時終了。のち、横山さんと若草へよる。
  原稿。
  秋田さんの件。
  発信 前原聿江

○五月二十六日(月)  曇 暑
  午後、富士銀行灘支店。みかげへ。後藤さんから動物のことを聞く。元町の眼鏡院へ。眼鏡ができている。歯医者へよる。
  井上さん來る。ぼくの件、この次にのばす。
  原稿。
  井上さんと永積さんとが相談して何とかしてくれるだろう。それにしてもいやらしい奴がいるものだ。
  発信 大井正 三上陸
  受信 醇郎 平凡社

○五月二十七日(火)  晴 暑
  午後、流泉。みかげへ。三浦さんのお母さんがきている。
  歯医者へよる。神経をぬく。
  『人間の研究(四)』終り。三〇枚。送る。
  発信 林省吾 小宮山量平 秋田和美 小松松男 醇郎
  
○五月二十八日(水)  晴 暑
  午前、兒玉医院。みかげへよる。流泉へ行き、古川君に会う。
  午後、入浴。散髪。歯医者。
  井上さんからいろいろの事情をきく。何よりも学長の無責任。全くひどいものだ。
  「チャンバラ的発想法」を書く。送る。
  当然学長が積極的に出てくるべきだ。それをやらない。いやらしい人間だ。
  明日上京。用意など。
  発信 船山信一 奥村久美子
  受信 船山信一 国際新聞

○五月二十九日(木)  晴 暑 
  朝、六時半家を出る。七時二十三分三の宮発「霧島」にのる。汽車はガラあき。二人分占領してねる。車中あつい。午後五時二十五分東京駅着。六時半阿佐ヶ谷の家へつく。夕食、のち銭湯へ行く。
  発信 延世、

○五月三十日(金)  晴 暑
  午前、理論社へ。小宮山氏に会う。「つづり方兄妹」をもらう。六月三日午後印税をくれるよし。靑木書店へよる。
  午後、教育大学へ。日哲大会。四時終了。大井君と池袋まで行き、神大のことなど話す。
  暑い。眞夏の暑さ。
  発信 延世

○五月三十一日(土)  晴 暑
  ひる頃、大塚へつく。出さん等といっしょにメイケイ会館地下食堂で晝食。
  午後、研究発表を聞く。ねむたし。四時―六時半、メイケイ会館でコンシン会。
  考えてみれば、神戸で愚にもつかいないことをいっているのは全くバカらしい。
  濱田君の報告よろし。
  三一・四度。最高。
  発信 杉島壽美子