○六月一日(月) 曇 暑
午後、新宿へ。紀伊國屋へよる。淸水幾太郎に会う。須田へ電話をかける。寺島さんの所へ行く。「哲学講座」の打合せ。
荻窪で、第一銀行、富士銀行へよる。
発信 日本哲学会、松田道雄 諏訪校友会、飯島衛 井上増次郎 山田宗睦 横井龍太郎
○六月二日(火) 曇後雨 冷
午後、新宿。紀伊國屋で又淸水幾太郎と会う。図書新聞へ行く。田所氏に会う。新讀書社へ行く。六月号を貰う。
前原さんへ中村屋の菓子を送る。
発信 笠井淸、近藤勝彦、鶴見俊輔、橋本智子、前原聿江、服部英次郞
受信 笠井淸
○六月三日(水) 晴後雨 暖
午後、三一へ。正木君と会う。理想社へ。九月号、十月号の相談。
毎日葉書を書くのでウンザリした。
「思想の科学」の原稿書きはじめ。
どこへ行っても編集顧問だ。ただし無報酬の。
発信 庫本一二、梅本克己 醇郎 正木重之 杉島資弘 森川澄枝
受信 思想の科学 靑木靖三 陽子
○六月四日(木) 曇 冷
午後、新宿高校へ。杉浦先生、風巻先生に会う。理論社へ。小宮山氏に会う。定期を買う。靑木書店へよる。文理書院で寺島氏に会う。紘一郎の件、原稿の件。
原稿を書く。
『人生手帖』の原稿料は一回(一月)四千円也。
男は大胆不敵なところがなければならない。男は度胸、女は愛嬌。
『新讀書』6月号の「思想時評」は傑作である。代々木のバカも何とも言えないだろう。
受信 飯島衛
○六月五日(金) 曇 冷
午後、東大教養部へ。日本哲学会。四時半終了。家へかえったら、おじいちゃん來ている。
原稿を書く。
陽子へ『世界』を送る。
考えてみれば。それでもやはり、東京にかなりの地盤を作った。
発信 日独文化の会
受信 日独文化の会 第一銀行
○六月六日(土) 小雨 冷
午後、東大教養学部。日本哲学会、シンポジウム。四時、終了。のち、山田、鈴木、元浜、田村等と渋谷へ行く。
陽子へ『世界』を送る。
原稿を書く。
困りものは、山口等澍と森信成。
渡辺義晴氏と会う。原稿の件。信州巡業の件。
発信 水野亜美
受信 水野亜美 井上智行
○六月七日(日) 曇 暑
午後、東大教養学部。日本哲学会、第三日。研究発表を少しきく。四時半~六時半、懇親会。のち、テルオカ君と湯川君といっしょに下北沢の茶房へよる。十時歸宅。
『戦後日本の思想』の寄贈あり。
「思想の科学」の原稿完了。十五枚。これは相当面白い。
発信 中央公論社 正木重之 鶴見俊輔
受信 梅本克己
○六月八日(月) 曇 暑
午後、雜誌会館へ。日本唯研のシンポジウム。上田耕一郎の報告。つまらない。明大研究所で懇親会。八時、終り。のち、甘粕、鈴木、元浜、田村とユッカへよる。十時家へかえる。
俊輔氏へ原稿を送る。
発信 平凡社
受信 平凡社
○六月九日(火) 曇後雨 暑
午後、三一へ。正木氏、竹村氏に会う。新宿へ行く。新宿座で「夜の闘魚」を見る。
「思想時評」の原稿書き始め。
発信 小川政恭 正木重之 渡辺義晴 山田宗睦
受信 笠井淸
○六月十日(水) 雨 寒
午後、新宿。寺島氏へ電話。新讀書社へ行く。『中央公論』を貰う。
亜美さん來らず。
原稿。
発信 森川澄枝 陽子
受信 水野亜美
○六月十一日(木) 雨後曇 冷
午後、早稲田の「茶房」へ。飯島衛氏に会う。理想社へ。
少し風邪気。
原稿。
受信 林和幸 陽子
○六月十二日(金) 曇 冷
午後、新宿へ。田所へ電話をかける。都合悪し。阿佐ヶ谷の家へ行く。
水野さん等の書架。
原稿。
発信 水野亜美
○六月十三日(土) 晴 暑
午後、図書新聞へ。唐木氏に会う。新讀書社へ。銀座へ出る。資生堂へよる。「思想の科学」へ出る。雜誌評。十時終了。
「思想時評」原稿終了。十四枚。
受信 淸水正徳
○六月十四日(日) 晴 暑
午後、新宿。文理書院へ。『人生手帖』讀者会。五時、終了。のち、菊地邦彦氏といっしょに「すし」のごちそうになる。
セキが出る。タバコはへらしている。
『思想』『現代の理論』の論文はどうにもいただけない。「思想の科学」の方がいい。
発信 淸水正徳 前原聿江、
○六月十五日(月) 晴 暑
午後、新讀書社へ原稿を持って行く。原稿用紙を貰う。学士会館で桐谷俊太郎に会う。
亜美さんへ『戦後日本の思想』を送る。
恩給の転居通知をする。
挨拶狀の原稿を書く。
発信 植村幸生
受信 水野亜美 前原聿江 橋本智子 陽子 植村幸生
○六月十六日(火) 晴 暑
一日中休養。午後、入浴。散歩。
神戸大学への挨拶狀の原稿を書く。
「ちっくたっく」を書く。
発信 渡辺義晴 唐木邦雄
受信 渡辺義晴
○六月十七日(水) 曇後雨 暑
午後、新宿。伊勢丹で挨拶狀の印刷を依頼する。三一へ。正木君に会う。神田へ。学士会館へ。森静夫氏に会う。
須田へ電話。電話の件。
『人生手帖』の原稿が終ったら、「恋愛論」の原稿にかかる。学校をあまりあてにせず、ジャーナリズムの方へ積極的に出て行った方がいい。学校に口があれば、なお結構だが、期待はできない。それでも、今年の秋はかなりの成果は出る。
「ちっくたっく」の原稿を送る。
発信 山田宗睦
○六月十八日(木) 晴後曇 冷
午後、荻窪局へ行き、電話の申込みをする。三一へ行く。出さんを訪う。
『人生手帖』の原稿。山田宗睦君のまねをしたわけではないが、「自伝」を入れる。
発信 京都大学新聞社
受信 唐木邦雄
○六月十九日(金) 曇 冷
午後、図書新聞。田所氏に会う。ユッカへ。粟田氏へ電話。不在。かえりに阿佐ヶ谷の家へよる。セキのくすりをもらう。
『人生手帖』の「哲学講座」を書く。十二枚。
つぎは「恋愛論」の原稿にかかる。これにはかなり力コブをいれる。
受信 日独文化の会 中村屋、
○六月二十日(土) 曇後雨 冷
午後、文理書院へ。原稿の件。
セキ、いいようだ。
夜、雜用、片づけなど。
『思想の科学』へははじめて書く。これはちょっと期待できる。
あせらないこと。悠々かまえること。今まででもかなり地盤は作った。今年の秋には又成果が出る。
來週は『図書新聞』『思想の科学』が出る。
山田宗睦もたよりない所がある。緻密でない点がある。
発信 人事興信所 田畑弘、
○六月二十一日(日) 曇 冷
午後、ひるね。散髪。
延世、鎌倉へ。
『人生手帖』原稿、書き直し。これは妥協。だが、止むをえない。寺島文夫もおかしい所がある。せせこましい。前のでいいのだが。あれも又あれで面白いのだが。柳田、眞下、高橋等の文章はお説教でつまらない。
やはり、大阪、京都はなつかしい。ちょっと行ってみたい。
発信 水野亜美 鈴木亨
受信 山田宗睦
○六月二十二日(月) 曇 暑
午後、三一へ。正木君に会う。新讀書社へ。村井氏に会う。木村誠君に会う。
『人生手帖』原稿終り。十一枚。こんどはいいだろう。前のも面白かったのだが。
古在さんはもう過去の人、モウロクしている。タイハイ現象も現れている。
受信 水野亜美 下井草郵便局
○六月二十三日(火) 雨 冷
午後、文理書院へ行く。原稿をわたす。理想社へ行く。
夜、雜用。関西、松本行のプランを考える。
発信 社会心理
受信 社会心理 渡辺義晴
○六月二十四日(水) 曇 冷
午後、伊勢丹へ。葉書印刷をうけとる。ヒカリ座で「危険な曲り角」を見る。
ダンハムの「下」、粟田氏から寄贈あり。
『哲学小事典』の検印、一、〇〇〇。
挨拶狀の宛名を書く。
受信 山下正子
○六月二十五日(木) 曇 冷
午後、新宿紀伊國屋へ。『思想の科学』『図書新聞』を買う。岡倉古志郎氏に会う。務台さんに会う。学士会館へ行く。
夜、検印。葉書の宛名書き。
入浴。
発信 粟田賢三 亀井蔀 森川澄枝
○六月二十六日(金) 曇 冷
午後、東大学士会館へ。日文協大会。九時終了。永積、猪野、奥村、榊原氏等に会う。お茶の水で猪野さん等とビールをのむ。
ルオーで吉村君、山田君に会う。
夜、葉書の宛名。
検印紙を京都へ送る。
受信 唯研、
○六月二十七日(土) 曇 暑
正午、新宿高校へ。風巻先生に会う。紘一郎、学年で五八番。グラウンドへ行ってみる。一時から講堂で父兄会。二時半終了。早大へ。日文協大会。国語教育の問題。六時終了。奥村さんを家へつれてくる。
受信 水野亜美
○六月二十八日(日) 晴 暑
奥村さん、先に早大へ行く。
午後、早大へ。日文協大会。文学の部。六時、終了。のち、懇親会。のち、高田の馬場の「大都会」へよる。
子供の部屋と入れ代り。四畳半へうつる。
発信 中央公論社 東大新聞
受信 中央公論社
○六月二十九日(月) 雨 冷
午後、社会心理研究所へ。国民文化会議へ。三一へ。花田氏へ電話。新讀書社へ。学士会館へ。東京駅へ。雲仙で陽子着。迎える。
夜、手紙を書く。
大学のようなせせこましい所へ入りこんで、ABCなど教える気がしない。広い所で活躍した方が面白いし、意義もある。
発信 いずみ会、鶴見俊輔、山下正子、山口栄子 橋本智子 草薙良子 安保問題、
受信 小川政恭 阿部節 阿部眞琴
○六月三十日(火) 曇 暑
午後、三和銀行神田支店へ。新讀書社へ。七月号出來。
夜、はがきを沢山かく。
発信 奥村久美子、渡辺史子、宇田ちか子、小林延子、前原聿江、水野亜美、元浜清海、草薙石介、深沢幹男、淸水正徳、山本晴義、鈴木亨、渡辺義晴、