○十月一日(木) 曇 冷
午後、散髪。
原稿。大阪。
発信 渡辺義晴 水野亜美 醇郎 片倉昇
受信 水野亜美 図書新聞
○十月二日(金) 雨 冷
午後、図書新聞へ。田所氏に会う。神田へ。本を買う。
原稿、大阪から京都へ。
須田に電話。
発信 高橋進 鈴木亨
受信 山下正子
○十月三日(土) 曇 暖
午後、新宿へ。「理由なき反抗」のシナリオをみつける。
原稿、京都、終り。
受信 陽子
○十月四日(日) 曇小雨 冷
午後、延世といっしょに増林寺へ。お墓参りをする。ビールをのむ。延世、先にかえる。
原稿。名古屋。
発信 森川澄枝
受信 森川澄枝 伊藤一美
○十月五日(月) 曇 暖
休養。原稿の疲れが出たらしい。左の肩がこる。入浴。
「ちっくたっく」を書く。送る。
原稿、金沢。
十月中に『劣等感』を書き上げる。十月末には関西へ行き、『劣等感』を拂いのける。 こんどの本は、今迄に例のない、全く新しいスタイル。いわば、創作である。
発信 伊藤一美 山下正子
〇十月六日(火) 曇 冷
午後、郵便局。理論社へ。新讀書社へ。
三一から校正がくる。
原稿、釜石、土佐。「東京にもの申す」終り。六〇枚。
発信 野島義一
〇十月七日(水) 雨 冷
台風、熱低となる。
原稿、大阪の笑い。
発信 梅沢謙蔵 阿部節 正木重之 教師の友
受信 阿部節 陽子
〇十月八日(木) 晴 暖
午後、銀座へ。松竹会館で「今日もまたかくてありなん」を見る。精神的マッサージ、だが原稿のことを始終考える。
初めての秋晴れ。
原稿、暖簾。
〇十月九日(金) 晴 暖
午後、新宿へ行く。理想社へ電話。
原稿、「暖簾」終り。これで「前篇」終り。①七九(一五七)枚、②八八枚(一七六枚)。
ざっと、一七〇枚。よく書いたものだ。三〇〇枚として、もう半分をこした。
発信 小川政恭 山崎きよ子 文理書院
受信 橋川克己 文理書院
〇十月十日(土) 晴 暖
午後、新讀書へ。原稿をわたす。片倉といっしょに銀座へ行く。
「恋愛論」の校正を見る。二九ページ。
『劣等感』「後篇」は書きやすいのから書いて行く。楽な気持で。それで、三〇〇枚位になったら終りにする。主要テーマはもう終った。
発信 橋本知子 片倉昇
受信 梅沢謙藏 田村勝夫
〇十月十一日(日) 晴 暑
三一へ校正を送る。
午後、延世、祐二郎といっしょ新宿へ。クツを買う。
「前篇」が終って一段落。少し疲れも出たようだ。
今朝、陽子かえってくる。
「ドイツ」の原稿を見る。なおす必要なし。
『貴族の階段』をよむ。
発信 図書新聞
〇十月十二日(月) 晴 暖
午後、理想社へ。「ドイツ」をわたす。「時評」の件。大江氏に会う。
「思想時評」を書く。
受信 水野亜美
〇十月十三日(火) 曇 冷
午後、水野亜美さん來る。いっしょに新宿へ行く。カドーへよる。
水野さんと別れて、法政へ。唯研運営委員会。
山口さんと飯田さんと結婚の通知。
「思想時評」終了。こんどは十一枚。これも、もう一回で終る。
受信 山口栄子 野島義一
〇十月十四日(水) 晴 寒
休養。入浴。
急に寒くなった。
「思想時評」終り。
『貴族の階段』をよむ。面白い。
大手薬局から薬着。
〇十月十五日(木) 晴 寒
午後、新讀書へ。原稿をわたす。理想社、花田君、岩波へ電話。
ユッカで猪野さんと会う。
陽子、神戸へ立つ。
『貴族の階段』讀了。面白い。
『劣等感』再開。これから「続篇」に入る。
発信 片倉昇 山口栄子 山崎きよ子 阿部節
受信 阿部節
〇十月十六日(金) 雨 冷
午後、ラモンドへ。花田君きたる。正木君に來て貰う。竹内良知はけしからん。
爆撃の葉書を出す。
原稿。
発信 竹内良知 一誠堂書店
〇十月十七日(土) 曇 暖
午後、教育大へ。道徳論分科会。菊地氏の話。日文協。『貴族の階段』について。
原稿。
発信 大井正
〇十月十八日(日) 雨 冷
また、台風近づく。
入浴。ひるね。
原稿。
発信 一誠堂書店
〇十月十九日(月) 曇 寒
午後、神田へ。本をさがす。新讀書社へ。森川さんに会う。産経会館へ。安保批判の会。九時終了。
原稿。「鴎外」に入る。
〇十月二十日(火) 曇 寒
芝田君から電報。電話をかける。第五分科会の件。
午後、新宿。「しいのみ学園」を発見。「フィナーレ」に使える。三一へ。竹内の件。 私学会館へ。思想の科学、竹内好氏の話。
山田宗睦へ速達を出す。
原稿。鴎外。
発信 山田宗睦
〇十月二十一日(水) 雨 寒
午後、新宿へ。大映で「貴族の階段」と「歌麿をめぐる五人の女」を見る。
原稿。
レンタンを今日から入れる。
『劣等感』もいよいよ追込みにかかる。『しいのみ学園』をフィナーレにする。
今日で㊂五八枚。データは今迄で揃っている。
発信 陽子 竹内良知 山田宗睦 片倉昇 樋口和博 亀井蔀
受信 竹内良知
〇十月二十二日(木) 晴 暖
今日は休養。ひるね。入浴。
原稿、鴎外を終る。
発信 元浜淸海
受信 須田宗興
〇十月二十三日(金) 晴 暖
午後、図書新聞へ。田所氏に会う。新讀書へ。原稿をわたす。
留守中に吉田収來訪。
陽子から『醜女の日記』のダイジェスト來る。
原稿。『貴族の階段』終らず。
発信 陽子 図書新聞
受信 陽子
〇十月二十四日(土) 晴 暖
午後、理想社。
六時、須田來る。
原稿、『貴族の階段』終り。
発信 橋本智子
受信 橋本智子
〇十月二十五日(日) 晴 暖
午後、文化放送。山本善一郎等のクラスのクラス会。岡本で。八時終了。
原稿。『醜女の日記』終り。
発信 水野亜美 山下正子
〇十月二十六日(月) 曇 寒
休養。
樋口、亀井、元浜から返事來らず。
原稿。
『コウロン』創刊、あまり特色がないようだ。
発信 前原聿江 山口栄子 阿部節
受信 陽子
〇十月二十七日(火) 曇 寒
午後、入浴。
原稿、三十枚書く。三〇〇枚をこす。
発信 奥村久美子 片倉昇 陽子 図書新聞
受信 樋口和博 図書新聞 陽子
〇十月二十八日(水) 雨 暖
午後、新宿へ行く。
『劣等感』終り。全部で三〇八枚。「あとがき」を書き、これで全部終り。
『劣等感』のデータは全く具合よく集った。ついてる感じがある。
発信 水野あみ 元浜淸海 山本晴義
受信 元浜淸海 水野あみ
〇十月二十九日(木) 曇 暖
午後、祐二郎といっしょに阿佐ヶ谷へ。テレビを見る。南海、巨人に四連勝。新讀書社へ。原稿をわたす。十一月中旬に本にするよし。
雜用。とにかく『劣等感』を書いてしまって、ほっとした。
発信 芝田進午 近藤政世 陽子 梅沢謙藏
受信 陽子
〇十月三十日(金) 晴後雨 暖
午後、新宿。理想社へ。「検印」一、五〇〇をわたす。
夜、散髪。
『劣等感』が売れればいいが。家が一軒立つ位。若干の自信はあるが、出來てみなければなんとも言えない。
受信 水野亜紀
〇十月三十一日(土) 晴 暖
七時起床。九時少し前、東京駅へ。「なにわ」にのる。汽車中ねむる。午後六時五十分、
大阪着。元浜君の家へ。元浜君とおそくまでしゃべる。
発信 のぶよ