十四日、午後一時半記す
十一日午前御差出し下され候御はがき有がたく拝見いたし候
十日発及十一日朝二通の手紙ハ御覧下されし御事と存じ候
今朝医師ニ亦尋ね候ところ日毎によろしく相成りウミも餘程少なく相成り候まゝ三四日も洗ハず帰宅いたすも差支無からんと申され候まゝ今度ㇵ早や少し位悪しくも帰宅いたすつもりに候
日ㇵ来る十八日当地を午前九時二十分発ニラ﨑午後五時二十五分乃滊車ニてニラ﨑宿りの預定にて帰宅いたし候まゝ
何卒ニラ﨑宿りの御つもりにて御出かけ下され度願上げ候
停車場辺りにて御目にかゝり御一所ニ宿へ参り度候
諸方より御見舞下され御様子就てㇵ一寸土産物を志るし許にもひ求めねばならぬ事と存じ候 只今金ㇵまづまづ充分~宿料と医家拂とを引て旅費分二円許りありますが~とは存じ候が之れ等にも少しㇵかゝり亦あまりかすかすにても何か道中臨時の出来事あらば困らんかと存じ候まゝ此手紙着後尚時間が之れあり候ハバ五円許り電報替為ニて御送り下され度願上候時間が無ければ当方ニて借りて参るべく候
当地両三日非常ニ寒く昨夜より雪降りニて未だ止まず
四五寸もたまり居り候如何ニ寒くもコダツㇵ無く誠に苦しく候也
病気ハ一日一日とおどろく許りニ快く相成り候も早や十八日ニ帰りても大丈夫と存じ候まゝ御安心下され度