二十六日縣營住宅に來てみましたら、既に荷物が

着いて家の中え入れてありました、隣りの井上増次郎氏

(高知から神戸大学え轉任、醇郎が松高でドイツ語をなら

つた人)と学生(私達が來るまで泊りに來てくれていた人)

とが入れてくれた由、同日わ吹田え歸り、二十七日皆で

こゝえ引越しました、和郎が來られないというので、和郎

の所にいる森という人が女中をつれて手傳いに來ました、

森氏わ一日でかえり、女中わまだいます、二十七日わとにかく

ねられるだけにし、二十八日も引き續いて片附けています、荷

物もどうやらおさまるようです、荷物わ少しもこわれず、

全部無事に着きました、幸に雨もふらず、まだそう

暑くもありません、