1954年7月1日
晴天 暖し
咳も多く痰も多く苦し 少しの洗ものをなし
ゆっくり休む
ビタカンファーの注射をなす
暖かなりし故湯をわかし全身をふきアカを取る
豫記
河西氏よりお歌の本四冊
乳三合
7月2日
昨日の如き晴天を皆 みしもうすぐもり暖かさも異なる
竹内さんへ電話を頼み明日か今日来て貰ひ度き様に云って貰ふ
午後オニバへでも行き度く思ひしがとってもごしたくてねて居る
豆を出て煑る 夏じゆばん少し出す
河西氏に手紙を書き度く思ひしが其元気なし
豫記
乳二合
7月3日
天気よし 今日ハ竹内先生来診の日故部屋の掃除をなし
ふとんを敷き替へたり美しくなる
午後三時のハスにて来らるよくよく御診察有り 私もいろいろ話し薬を
加減するすると云ハるし■も悪るくなし 二週間見ざりしにと云ハる
豫記
乳三合
7月4日
くもり むしむし暑し
池上氏小さい娘をつれて草取りに来てくれる
乾としさん来り■かけ忙しくて中々来れぬ様な事を云ひすぐ帰る
庭も畑もとても美しくなる 豆の長くなりしのも兎に角植える 夕飯を出さぬ
故五時に仕舞つて帰らる
豫記
乳三合
7月5日
くもり
午前中に醇郎タクシーにて来る 松本と
上諏訪にて話をし松本■■と上諏訪にてとまり来りしよし 昔の中学時代の友人
等も多く逢へしよし
買物に出ざりし故何も御馳走なく気の毒なりし 百枝よりハカ有り五十才位の女中を
よこすと云ふ
豫記
来信 百枝 乳二合
7月6日
天気よく非常に暑く梅雨上りしかと思ひしが夕方又少し雨降る
朝一度起きて戸をあけ一寸休みし処へ記し㐂七氏来る昨日沢山たきし御飯も
いろいろ有りし故直ちに朝飯出来る庭の凡ての野菜に手をやり肥料をやってくれる少し
残って大方終る又半日来ると云ふ十二時一寸前バスにて昼を食べずに醇郎出発す
豫記 㐂 乳二合半位
7月7日
天気よく暖かし
食後二回共よく休む
夕方袷のねまきの上げ等なす
昨日は女中来るかと其心つもりして居りしに
夕飯食べて居る時中村さんより電報有り
スコシノビルと
豫記
電報仙台より 乳二合
7月8日
くもり 寒し
朝飯後休み仙台と小井戸氏にハガキ書き出し
行かうとして居りし処へオニバ農協の人ソバ粉を
持って来てくれる ハガキ其人に頼む
午後ゆっくり休み夕方前掛のつぎ等なす
武内さんへ電話を掛明日来診を乞ふ
朝より此間醇郎の持って来てくれた薬
飲む 此日三つ
豫記
来信 小井戸氏 ■■■■
発百枝 小井戸氏 乳二合
7月9日
くもり暖かし
お昼に野菜サラダを作るおいしく出来る
少し洗濯をなし後はよく休む
お湯を使ひ
全身をふく
豫記
乳二合
7月10日
うすくもり暖かし
百枝よりはかき有り六十位の人だめになりし由
餘り遠■故無理もなし諏訪で出来れば
一番よいですが 下の人パン賣りに来る買ふ
昨日武内医師に電話で頼みしが来らず明日は
是非来て貰ふ薬取りの時に手紙をやるべく今晩書く
豫記
来信 百枝 乳二合
7月11日
くもり小雨池上氏息薬取りに行く時手紙を書いて
武内さんに上げる昼食すんたら行くと二時前に来て
くれる武川又兵衛氏死去につき鎌倉に行きし由
診察して痰も大に少なくなりし様云ふ腰の痛い処
へ二ヶ所注射をしてくれる
十一時頃ちか子氏来る掃除をし洗濯をしてくれる
お施餓鬼には行かず新家へ頼みやるちか子氏にオニバへ買
物に行って貰ひサバとトマトを買って貰ふ
豫記
乳二合 河西てう氏 中村百枝氏
7月12日くもり暖かし午後摂郎にハカキを書き農協に
買物に行きし序に出す
昨日新家より洗石けんを借りし故買って来て
返す農協の洗■餘り宜しからず
豫記
摂郎 来信 醇郎摂郎 乳二合
7月13日
天気非常に暖かく此様な気候がつづけば凶作の心配も無いかと思ふ
障子の猫の破りし処あちこち張る
ソバ粉及醇郎の置いて行きしもの送ろうと用意なす
豫記
乳二合
7月14日
うすくもり餘り暖かならず昨夜のね方悪かりしや左胸左背等痛み苦し体を動かしても痛み何も出来ず
カチクモロコシにやる硫安一〆匁与平氏農協より持って来てくれる
ヒタカンファー注射をなす少し気持ちよし
ケミセチン八日九日十日十一日三つつ飲みしに痰が少なくなり痰の出ない咳が少し出る痰は白くトー明デキレイナ痰なり
豫記
乳一合位
7月15日
くもり涼し朝突然耳鳴りて聞こえ悪し
午前と午後よく休む
新やの嫁さん御社宮寺のモロコシに肥料をやってくれると来てくれしがそれよりオニバへ薬買ひに行って貰ふ胸の痛い処へトクホンを張り首より上の薬を飲む
豫記
乳一合半
7月16日
天気よし㐂七氏突然朝来る
モロコシの肥料其他草取り庭の畑の手入れをなす
なすを植える夕方枝木を割ったりする
ささけの手を取り来り夕顔の手をやる
豫記
㐂 乳弐合
7月17日
うすくもり日中ハ暖かなれども朝夕涼し
十一時頃ちか氏来る■買って来てくれる九十五円也昔の事を思へばおどろく許なり
おひるにごま餅を作り沢山食べられる五時前ちか氏に持たせてやる明日は青年会の用有る由農協に買物に行って貰ふ農協より袋貰ひ有り難し
ちか氏にバス代百円渡す
豫記
武内さんに電話かける明朝来てくれる由 乳二合
7月18日
前夜雨朝已むくもり朝武内さん来られるよし故七時前のバスに間に合ふ様に用意せしも来られず八時半にも来らず
夕方 に来らる診察した左腰の痛む処へ注射二本やる後少し痛む
豫記
来信百枝二十日に女中をつれて来てくれるよし有り難し 乳二合
7月19日
くもり朝夕寒し明日は土用と云ふのに困った事有り
明日は百枝と女中と来る 買物に行かうかと思ひしが明日にして今日ハ家の用事をなす
米味噌を出し私の外出の衣類を出し寒き故セルを出す新家で武内さんへ薬を取りに行って来てくれる
豫記
乳二合
7月20日
くもり冷し 支度して九時過ぎのバスにて矢ケ崎へ行く局にて一万円丈受取り後は通帳に入れる
メガネ一つ新しく作り古いのをなをす
オニバから家までに四回も休みやっと帰るうなぎ焼きに時間がかかり十一時のバスには乗れず帰りて食事をすまし後ゆっくり休み百ちゃん女中さんをつれて夕方おそく来る
豫記
乳二合
7月21日
晴天暑く梅雨もあけし様なり
午後女中さんをつれて買物かたがた店やいろいろ教える様に百枝さんが矢ケ崎へ行くいろいろ買物をなしくるる進物のシャツのやすくて立派なのに驚く百枝さんハ野菜類のやすきに驚く帰りて農協支所へ行き過石二〆匁買って来てくれる百枝さんより新家へ生菓子の土産を上げる
豫記
三合
7月22日
晴天 今日ハ麦刈りに㐂七氏来り内の女中もつれて行って貰ふ女中手伝い行故二日かかると思ひし仕事一日にて終る
むぎこきにハ女中一人で持参できると思ふ小豆を煮て夕飯にオハギを作る
豫記
㐂 三合 耳医者 二合
7月23日
天気暑し土用の暑きは有り難し
百枝平出へ行く十二時一寸前のバスにて
女中に単衣物とエプロンを洗って貰ふ勝手のこだこだの物を皆出して掃除してくれる
私は午後よく休む 午後二時頃耳のお医者様来てくれる よく聞こえる様になる事を祈る 女中庭の畑の草取りをなす
豫記
耳のお医者来れる 乳一合
7月24日
天気暖かし武内さん来て来てくれるかと思ひ用意して居りしが来らず診察して■■はじと思ひたるか 百枝さん帰る
冬衣類ゑりをふき乾かす
女中に裁縫を教える 古い単衣のつぎ当てをなさす
風呂をわかす子供の夜まつりに女中新家の人と行く此日上便所に電気をつける
豫記
乳二合
7月25日
暖かくよき土用なり稲の生育よき事をいのる
女中に単衣物袖のヘラ付けなす
百枝さん明日帰るにつき切プを買ひ小包を
出し内の買物をして来てくれる
久しぶりに風呂に入る
豫記
発小包女中を世話してくれし人に乳二合
7月26日
晴天暑さきびし朝七時一寸過ぎのバスにて
百枝さん帰る 女中に単衣物のヘラ付けを教える
仙台と神戸へ手紙を書く
ヌカ漬を作る用意をなす
耳のお医者様来る少し■後よいとて
㐂んで居りました
仙台へ小包を作る
女中に全部のヘラ付けをやらせる
豫記
耳のお医者来られる 発 百枝摂郎のぶよ 乳二合
7月27日
くもり小雨涼し
耳医者来らる
咳痰多く苦し
夕飯にちらしすしを作る
豫記
耳医者来 百枝よりハガキ
発小包中村百枝 乳二合
7月28日
くもり涼し夕方より雨
吹田へソバ粉の小包を作り昼食後女中出しに行き帰りにフスマ外買物をなす
ソバ送ってしまひ安心せり
耳医者未だ来ると云ひしがもうすっかりよろしい様なり
咳痰中中多く苦し
豫記
耳医者
発 醇郎に小包二つ はがき 乳二合
7月29日
くもり夕方雨 夜大雨
今日は竹内さん来る日なれば掃除をしたり用意をなす
午後三時のバスも四時四十五分のバスにも来くれずもう
来れぬかと思ひ居りしに夕方おそく来てくれる急用できしよし
今度の薬ハ胃の具合よろしからず次にハ加減して頂く様頼む
豫記
乳二合
7月30日
くもりはっきりせぬ天気なり昨夜下痢せし故朝食ふ
乳卵を見合ハせる 朝より医者の薬を止めてみる
昼にはおかゆ一つ卵乳を食べ食後直ちに耳医者来る今一度月曜に来てやめるといふ
夕飯何かおいしく食べ度いと思ふ
夕方より又雨
中村寅一氏に見舞いの礼状を書く
豫記
耳医者
来信百枝 乳二合
7月31日
晴天
女中竹内さんへ薬貰ひに行ってくれる加減して
くれしよし 飲んで見て具合よい様なり
自分のもの少し洗濯をなす
敷布のついぎを始める
北大塩に映画あり女中行き度かりしが新やて誰も行かぬにつき一人でハ
行かれず止める一度見し貫一お宮のよし