晴れたりくもったり風有り
女中に敷布等洗はせる皆の来る用意なり
新やへ山羊乳代払ひに行く三百五十円
神戸一家来るにつき倉に入りふとんねまき等出す
女中に使ハせる敷布のつぎ当てをなす
河西氏諏方へ来るよし逢ひ度し 摂郎明日来ると云ふ今日夜行にて
豫記
来信
河西てう子氏 摂郎
8月2日
晴天朝は寒きぼとなり
東海道不通につき一日のばし二日に立つと言ふ
靖彦さんだち二十一日に立ち白河に一泊平出に行きし内へㇵ
後れて寄るとの事摂郎一家より後れて来てほし
豫記
来信
一年■■最後
速達 摂郎
来信百枝 
笹岡邦夫一家
8月3日
晴天暑気強くよき土用なり
早朝ノバスより其度待ちしも来らず正午少し過ぎ
女中と二人ひるねをして居りし処へ五人来る皆元気にて有り難し
井上先生よりポポン錠と注射薬二箱頂く
疲労回復によきよし早速使って見様と思ふ
便所の■八十■灰焼き場へ持って行って皆焼くさっぱりす
豫記
来信 中村百枝
8月4日
晴天なりしも夕方少し雨降る
延世さん矢ケ崎の局へ行って二万円引出しいろいろ買物を
して来てくれる おそいおひるを食す
タカジャスターゼを飲んて見る腹空く様なり
8月5日
天気よく暑気強し
毎日待って居て昂靖彦さん来らず寄らず帰りしかと思ひ居たりしに午後
皆ヒルネをして居りし処へ来らる
昂さんよりㇵネマキ外二人のㇵカルピス羊かん等頂く
早速紅茶トマト等を出し羊かんでお茶を出し等
して居り延世さん矢ケ崎へ買物に行ってくれる
肉トーフビールサイダー生姜等々それて夕飯を上げる
寝る時ㇵ十一時なりき
8月6日
■■■に見しままにて立派に成育し居り只涙なり
天気よく暑気つよし
持参せし写真器にて皆の写真をうつしたりす
埴原田の山へ摂郎と散歩に行くオヒルにㇵ
ごま餅をつくり上げる
三時三十三分のバスにて帰る明日ㇵ霧ヶ峰へ行くとのこと
8月7日
昨夜夜半雨の音を聞き明日の霧ヶ峰行きㇵ如何
かとあんじしが朝は晴れて居り中々暑気つよし
咳の薬を止めタカジャスターゼを飲みしが少し食欲が
出たかと思ハる
風呂をわかし夕飯後最後に入る
8月8日
晴天暑気つよし
カタビラを出す 絹綿入をほどく
倉に入れし綿入を形づける
豫記
発 河西氏

8月9日
晴天暑気つよし
手紙ハガキを全部郵便配達に頼み出す
女中芋掘りをなす子供も手伝ひて
夕方女中をつれてキナコかんを持ち利用部及農協へ行き
利用部■■引き五百十円農協で利用配当記念品手拭いオ茶を貰ふ
定期貯蓄券のサイケンをなす
麦こき今朝雄氏方頼まんとせしがおそくて引受けてくれず
豫記
発 百枝 醇郎 平林氏
8月10日
晴天暑気つよし
新家よりキカイヲ借りて麦コキをなし夕方
直ちにあをつて仕上げる
松雄氏車にモミ五俵つけて女中が押して利用部へ行き
もみすり米つきをしてくれる米麦共に仕上がり大安心なり
豆腐賣りも来りナットウ賣りも来り珍しきものみて夕飯に
子供は大喜びなり
豫記
モミスリ七斗
米摺器下 2斗3升
3斗白米にする
8月11日
晴天暑気つよし
昨夜十時頃便所へ起きし後右足つけねいつもの神経痛
起こり苦しみ皮フ科に頂きしヘキゼルミン注射液を注射して軽快す
延世さん買物に行って貰ひシャツ三つ赤ちゃんの衣服地等買って来てくれる
夕方より政一郎氏(シャツ)小野氏(シャツ)鶴治氏へお祝い(布)助蔵氏(シャツ)
を持ってあいさつに行く
8月12日
晴天暑さつよし
女中買物に行きパーマへ寄りし由中々時間かかる
ウドンも取り替へさつま芋なすトマト等盆の用意をなす
8月13日
晴天暑さつよし
盆の用意をなす昨日取ってくれしカトギでお前掛けを作り
花も新家で貰ひ来りかざりさつま芋■ナスささけで天ふらを作り
上げる子供は皆公民館の前へ行き女中もおどりし由なり
8月14日
晴天暑気つよし
女中早ひるで中央劇場へ映画に行く愛染かつらの有ったよし
夕方かなりおそく帰る
村のおとりには此夜は誰も行かず早く休む

男下駄のハナを作り夜具のゑり洗ひかける
8月15日
晴れ暑気つよし午後二時一時的大雨有り
朝より用意して餅をつき早目に食べて五人て上諏訪へ行く
昨夜は何故や咳多く眠れず苦しかりし十六日も過ぎたら
竹内さんの薬を貰ひ行って貰ふと思ふ
豫記
乳三合 来信 平林ます氏
8月16日
一点の雲もなく暑気つよし 朝飯を食べ始めし
処へ竹村美㐂治氏大きな娘を二人つれて墓参に
来る少し待って貰って墓参に行き帰りて御茶
を上げるお茶と餅を持って帰って貰ふ
カルピスの大ビンを頂く
新やにてメン羊死去せし由にて肉を頂く昼食に
料理する
8月17日
晴天暑さつよし此日平林氏河西氏来訪の日なりし
故早く起き用事をなすビタカンファ―を注射して
居る処へ八時半のバス着く上座敷にて休み
貰ひオ茶洋かんカルピスブトー等を上げる
お昼にㇵ延世さん巻きずしにぎり寿司など作りくれてよかった
昼休みを少し志て又話五時過ぎのバスにて帰らる
寿司の折りづめとお菓子を上げる菓子折りとマヨ
ネーズを頂く
8月18日
昨夜全身熱感あり夕飯後はかりしに三八・二分
有り 竹内医師に電話せしに留守十時過ぎ
でなければ帰宅せぬよし頼み置きし十時半頃まで待ちしに来
らず今朝七時一寸過ぎにて来診有り痰が多くたまり
居るとか疲れならんと思ふ女中薬貰ひに行ってくれる
お昼食より飲みしに後■悪しく夕食後と明日の明け方
二回下痢タイ風にて風雨有り大したことなし
8月19日
前夜中風雨朝又風雨外の県より軽い様なり
今日の服薬を止める
軽く三回一杯づつ食べられる此頃痰のうみの如きも
の多く熱もそこから出てしならん夜通し眠れず
高値薬を飲んで見やうと夜通し考へる
8月20日
台風一過よき天気にて暑気つよし
今日延世さん九時の下りバスにてちのへ行き上京す
体の事薬の事を先生に聞いて貰ふ様頼む
8月21日
天気暑気強し餘り暑い故にや食物が餘り入らぬ
故全身だるく汗多し苦し夕方一人にてビタ
カンファ―をなす少しシツかした様なり 
汗の多いのは心臓衰弱の為めでは無いかと思ふ
だるいも息苦しいも何とか心臓強くする方なきや
女中大根畑を作る
夕食はうとんを食べる夕食かなり入る
豫記
来信百枝醇郎妻
8月22日
晴天暑気つよし前夜中殆ど休まず汗と
咳に苦しむ女中大根種芋種を買ひにやる
昼食をなし居る処へ三沢かつへ氏来訪三時三十
五分のバス迠話して帰らるいろいろ頂く
かつへさんのおじさんせんぞくて苦しそうのよしそれ
ても大に快方に向ひ居るよし力つけてくれる
今日帰る筈ののぶよ先の電報有り一日のびるよし
濱見氏川へ石を入れてくれる今日川干なり
8月23日
晴天暑気つよし午後四時の上りのバスにて延世さん
父上と二人にて来らるいろいろの土産と私に見舞を
頂く診察して下さる二種の粉薬を頂く夕飯後
服んでねる咳も無くよく眠れる
8月24日
非常なる暑さなり信州にてハ知らぬ程なり
林さんと延世さんと子供三人上諏訪へ行く
豫記
来信河西氏
8月25日
昨夜はよく晴れて居りしに今朝雨の音し雨降りにて
涼し汗の出る事なし
早昼にのだ餅を作り林さんに上げる十一時二十五分
のバスに帰らる 延世さん送りかえし買物
をして来てくれる(ビタカンファーと林さんの食前の薬)
庭の畑に大根白菜菜を女中に手伝ひこ
やしかつぎをしてくれる
豫記
来信醇郎
8月26日
昨日の雨にてすっかり涼しくなり前夜も少しも
汗も出さず夜具なしでハ休めず今迄日夜汗
だくだくなりしに
林さんの食前の薬の為にや気候の涼しく
なりし故にや食欲と云ふ程なりや否や何か食べ度
い様な気がする事あり
醇郎に手紙を書き出して貰ふ水あめを買って
来て子供にやる
豫記
発信醇郎
8月27日
くもり涼し凶作の心配も無きと云へず 
少し食欲も出し様にも思へる身体も少ししっ
かりした様なり神戸へ荷物二つハスにて運んでくれる
便利なり山形より来りし五布ふとんとふろしき
を出し中へ米小豆を入れる
枕の破れしのを直す座って縫物でもして居れば
少しも平時と変らず立って動けば苦し
8月28日
晴天日中はかなり暑し此夜皆帰るにつき
いろいろ形づけたり洗ふなりす
夕方より風呂わかし入る明日の昼食のにぎり飯を作る
新やよりもろこしを頂き食べたり持ったりする
最後の九時近きのバスにてハス一つ九時前に通り
おどろき出かけしがそれㇵ異なり後よりハス来り
途中より来りしと思ふ安心せり
紘一郎に鏡硯箱等のこわれし処をつけて貰ふ有難し
8月29日
晴天
打ちすて置きし會計をなす人数多ければ出費も
多しこれからはよからんと思ふ
久しく打ちすて置きしよごれし肌のもの三つ腹帯等洗ふ
さっぱりしたり漸く寫眞来る今一日早かりなばと
思ふうつかりして居りし処を上手に寫し有り
夕方雑巾二つ縫ふ
豫記
細谷昂 寫眞封入
8月30日
朝小雨涼し
午後伊藤一美氏妻見舞に来てくれる氷餅
の粉とぶどーを頂く中座敷にてゆっくりお茶
をあげ話して帰らる
女中に矢ケ崎へ絵ハガキ買ひにやりしが無かりし由
豫記
春日みき氏
8月31日朝より大雨夕方止む
雑巾の下こしらえをして女中に縫はせる
林さん摂郎百枝にはかきを書く
細谷昂にも礼状を
身体少ししっかりしてペンを取る気になりしなり