朝くもり天気よくなり暖かし
こだつの下掛けを洗ふ倉の前の風呂棒其他を洗ひ乾かす
布のつ■りをして張りものをなす
振り袖及び江戸褄など風に当てる
茶碗等餘分のものを倉に入れる
10月2日
朝くもり日中日が当る
仙台へ小包を作り出して貰ふ 米の粉 小豆 ささげ豆
かすり一反古生地しゆばん 表裏位
婦人会のゲキに女中始めて出るお寺の奥
さんの司会のよし それならばよろしからんと思ふ
豫記
ヤギ乳二合 発小包中村へ
10月3日くもり小雨寒し
吹田へ送る下掛を見つもり女中につかせる女中
丈では中々むつかしくかなり自分でやる
ビーテーの映画に女中をやる事にする
半額二十五円
10月4日
朝小雨後晴れる
大掃除の当日なりこんな天気てㇵたたみㇵ
出せず私の部屋と御勝手をよくやる
外の座敷ㇵいつも出来居る故
倉に入り長ぐつをさがししも中々見つからず
女中がせしや不用の茶碗類を大方倉に入れる
此日は午後と夕飯後と二回婦人会のゲキを
なす練習に寺へ行く
10月5日
晴天前夜より非常に寒くなる
此朝こたづを作る女中洗濯風呂棒を洗ひ台所に入れる
おこし等洗ひつぐ女中の敷布洗はせてつぎ布をさがしつがせる
身体傷害者の為めにと電球売りに来る一つ買ふ
10月6日
くもり小雨 麹やへ麹くみにやる つけ賃取らず
午後と夜女中寺へ行く
つぎものを少しなし外は休む
10月7日
昨夜夜通し雨正午頃より止む
こたつの下掛けを女中にやらせる
私は肌じゆばんの袖をなほしつける
午後女中寺に行く
塩沢の森元様恩給の事につき印を取りに来らる
麹を分けて㐂一氏方へ持参し庭で話しドブの種とリンゴを
頂いて来る夜も女中寺へ行く
10月8日
くもり寒し
此日婦人會にて女中劇をやるにつき朝は八時に寺へ
行く朝食と夕食ㇵ寺にて頂くよし男のカ装は中
々よかりし私は行かさりしが内へ来て見せる
冬の肌じゆばんの袖昨日今日二枚作りつけて何時でも
着られてよくなったり
10月9日
くもり吹田へ送る下掛けの用布さかしをなし
縫ひかかろうとせし処へつぎ氏来訪一年ぶりなり
墓参に来りしよし墓参終わりて寄り話す
昼におはぎを作りて上げる米の粉を上げるワカサギ
を頂く
米撰機下の白米で飯を炊き甘酒とトブを仕込む
よく出来る事を祈ってこだつにて温度をかける
10月10日
くもり甘酒とドブこたつて温度をかけ置きしに
工合よく出来始める
神戸より小包着沢山の袋とマヨネーズとみかんかんづめ入り
有り早速マヨネーズを昼に使ふ
こたつの下掛けの中へ入れる古布張らせる
冬衣を倉より出す外出しなければ何も不用なり
神戸と吹田へはがきを書く夕飯マヨネーズにて沢山食べ
られる明日は局へ行かねばならず心配なり
豫記
来小包延世より
10月11日
小雨午後晴れ寒し
今日ㇵ恩給頂きに行く日なれども雨にて止める
こたつの下掛けの下こしらへをする
新やより芋三メ匁卵五個買ふ
豫記
発 延世 醇郎
10月12日
くもり今日ㇵ局行かねばならず朝より支度して
九時に下りバスにて行く女中の帳面へ二千円入れる千円渡す
帰途矢ケ崎のおげんさんに是非寄れ聞き度い事が有ると
云ハれ寄る新築の家にてお茶を頂く
実に立派なフシンにて驚く少し話して帰る十一時のバス
にてと思ひしがのり遅れ歩いてオニバにて色々買物を
なし帰る思ひしより歩けばそんなに残っても居らず
10月13日
晴天よき秋日なり
吹田へやるこたつの下掛けを下こしらへをして女中に
ささせる 早く出来そうなり
冬の綿入の長じゆばんを作り始める
仙台より便り無き故はがきを書きて出す
豫記
発 百枝
10月14日
晴天寒さ強し何処もまっしろなり
綿入れのじゆばんをついだりする
さつま芋を掘る少しきり無し
豫記
二回目の大霜 林さんより婦人公論 二冊来る3,4月
10月15日
霜朝少しきり有り
此日女中新やへ稲刈りに行く
私はゆっくり朝食を終り後形つけ等して休む
朝こたつにて新聞を見る事楽しみなり
午後綿入の長じゆばんのへら付けをなし少し縫ふ
昨夜林さんの薬を飲みしに夜中もよく眠れ咳も
軽かったようなり
豫記
大霜
10月16日
うすくもり天気よし女中新やへ稲刈りに行く
綿入のじゆばんを縫ふ
昨夜は割合暖かにてこたつも不用の程なりし
今日も暖かなり
豫記
来信林ふさ氏
10月17日
くもり割合暖かし女中新やへ稲刈りに行く
林さんへ手紙を書く
夕方より雨降り出し其頃藤森■■氏来訪女中も稲刈り■り丁度都合よし
女中矢ケ崎へ買物に行って貰ふ夕飯はキナコのおはぎ
を作る五十年ぶりの話し中々つきざりしも明日の事に
して休む上諏訪へ電話をかけて宿る事にする
生菓子ブドーナシを頂く
豫記
来信 証子 百枝
10月18日
朝は雨午後より止む十二時一寸前のバスにて帰らる
おはぎ米の粉を上げる午後より女中味噌買ひと
薬買いに行く帰りて劇の時の人々茅野へ映画に
行くとさそはれ行く
昨日よりよく話しすっかり疲れたり
此日松雄氏昨年のモミの残りを利用部へ持参し
白米にして夕方持参しくるる有り難し
豫記
発 林婦さ氏
来 百枝
10月19日
朝小雨後晴れ 女中おそく出て新やへ行く
綿入じゆばんを縫ふ 昨日はすっかり疲れて食事
も進まさりしが今日ㇵ平生に戻る
少しむつかしいものを読んだり裁縫に一生懸命
になると咳が多く出る感じなり神経を使ふと
出るように思わるぼやーとして馬鹿のようになって居れ
ばよい様なり
10月20日
くもり今日も降りそうなりしも降らず
女中新やへ行く夕方雨四時半頃帰る農協へ
買物にやる綿入のじゆばん綿つくり迠にする
百枝にこまこまとせしはがきを出す
豫記
発 百枝
10月21日
前夜遅く大雨降りしも今朝は止む
稲刈りは出来ず女中を竹内さんへ薬貰ひにやる
女中に十月分三千円渡す
庭の長芋少し掘らせる夕飯にとろろを作る
さかん氏夫妻アゼ豆を取って来てくれる実りのよいに驚く
豫記
来信 藤森■■氏
10月22日
天気よし割合暖かし女中を新やへやる
今日は昨日さかんし私方の稲刈り奥さん一人やってくれる
由なれとも新や終わらねば都合悪しく女中明日は内の稲刈を
やらせるつもり昼のおかずを煮たり午前は少しも休
めず午後ゆっくり休みやりっぱなしの後形づけ等すささげの
さやを干したりむいたり整頓の頭無き人には困りものなり
夕方新や終わって少し自宅の方を手伝いし由
豫記
来信ハガキ百枝
10月23日
晴天暖かし
さかんし夫妻と内の女中と稲刈り夕方迠に終る
10月24日
晴天恵まれたよい天気なり
さかんし夫妻稲こききかいを持ち来りし人
と新やの松尾さんとにて少しおそい昼迠に
こき終わる内の女中と手伝ふ
もち米丈干す女中田のワラ形つけ終わる
すっかり形つきほっとしたり
豫記
来信百枝
10月25日
昨日の晴天に反しくもり前夜に少し雨朝も雨
今日ㇵ新やの稲こきに女中行く筈なりしも雨にて止め
休めてよかったと思ふ
女中を矢ケ崎へ油取り替へ及買物にやる
私ㇵ午後ゆっくり休み綿入れのじゆばんの綿づくりを始める
谷陽之助一座公民館に来り女中行く二千円秋の働きしお愛想にやる
豫記
発藤森ふで氏
10月26日
雨後晴れる
綿入れのじゆばん午前に綿作り仕上げる午後ゑり丈残してくける
雨にて新やの稲こき無く女中家にいていろいろやる
麦三升利用部へ持参休みにて一美氏方へ頼み帰る
伊藤今三氏死去香奠を二十円新やへ頼む
女中しば居に行く
豫記
来信百枝
10月27日
天気
女中新やの稲こきに行く器械の工合悪しき由にて早く止めて帰る
女中芝居に行く綿入れのじゆばんをくけるゑりかけ丈残る
豫記
来信醇郎
10月28日
天気よく夕方くもり
新やのおばさま手伝ってくれて米を干す
じゆばんのゑりを縫ってかけすっかり仕上る
女中いろいろの洗濯を
なすいろいろの仕事を形つげる
10月29日
昨夜ㇵくもり明日の雨を思ハセシが今朝は晴れた好天気新やのおばさま
手伝ってくれてもみを干す其後女中手伝いに行く
お昼に新やよりキナコのおはぎを頂く朝飯は昨夜の
チラシズシ昼にはおはぎを食し故にや食後少し腹痛の気味あり
二時半ごろ休み大いによくなる
もみ取り込みにおばさま与平氏二人来てやってくれる
10月30日
晴天 もみ干新やおばさま手伝いで来る
新やもみすり早出しをするよし女中手伝いに行く
夕方三時頃終り帰る二十五俵するしよし
女中もんぺをつぎおせんふきを作り夜具のカバー
にする布をつぐ針仕事は疲れぬ様なり
10月31日
晴天 ひでりつよくもみ干しに毎日毎日
天気にて有り難し
午後新やの嫁さん豆取りに来てくれる終って芋
をふかし等してお茶を上げる
夜具のカバーを少し縫いひしもつけるに至らず
夕方今朝雄氏方へ乳の拂いに行くおつりを明朝
よこすよし千円置いてくる
鶴作氏次男にソバ代三百円頼み置く二百円と云はれしが
豫記
発 百枝