スケートに行く約束(斜線で末梢していたが採用――館長)
昨日の朝私は湖水へスケートに行きたかつたので誰かをさそつて行こうと思つて、下駄をはかふと思つて、えんがはへ出て、門の外の方を見たら、たあちやが口ぶえを吹きながら門のそばの雪をばうでたゝくやうに、いぢつてゐた。私はたあちやを、よぼうと思つてゐたので、これはうまいと思つて、いそいでたあちやの所へ行かうと思つて、えんがわを下りつとしたら、家の中で「スケートニ行く、か」と言つたので「え、」と言ふと、それぢやあかぶつてけと言ひました。私はすぐひこうぼうをかぶつて行けと言ふのだとわかりました。私はちよつと、約束に行つて來るだけだでいゝと言をうと思つたが、もしさう大きい聲を出して言つて、たあちやに聞こへて、たあちやが、おらあスケートになんて行かねえぞう、なんて、ことはられりやあ私がちよつときまりがわるいので私はだまつて家を逃げ出しました。それだけれども、すぐスケートに行かねえかあなんて言ふて、ことはられりやあ、きまりが惡いので私はすぐ家の前の池の冰を見たり、乗つたりしながら今朝はしみたああえなんていろいろ言つてつから、おらあ湖水へスケートに行かつかあを言ふと、たあちやも行き(中断)