私は此の間おしんめえを取つてすみを家から持つて來て、其のおしんめえの火ですみをおこし、めえめえだれとだれとと言ふやうに二人か三人ぐらひづつ、一つしよになつて湖水へスケートに行きたいのをこらへてもちをやいてゐると、かくゆうかんの所に人が一つぱいあつまつてゐて、又方々から人がかくゆうかんへ、どんで行くので、私達はきつとだれかおちたか、それともとてもうまい人にすけえとの下駄でけられたかなんて言つてゐました。少し立つて、もちを食べるのもおえて皆家へ歸つてリングスケートに行けなんて言って私が家に帰って見ると、家のねえさんがこたつにあたつてゐて、今湖水へ人が落つて死んだぜ、それで其の人がせつちやんの中學の時のお友達と言つてせつちやんは今家へ歸つて來たけれど、又行つたぜ、だでへえ湖水へは行くなようなんて言ひました。私も其の時はもう湖水へは行くまいと思ひました。そこで、外へ出て見るとたあちやがスケートの下駄をかついで持つてゐました。私はすぐ其の事を言ふと死んだとなんてあきれたやうな顔をしてゐました。少し持つてゐると皆が來たので、其の話をすると。皆死んだと死んだとばか言つてゐて、あんまりびつくりはしませんでした。リングから歸つて見ると、せつちやんがゐて、今小さい方のにいさんに話してゐる時でした。
おれがきしの方をむいて、だれとかゞ沖の方を向いてゐたら落つた落つたと行つたので、すぐ行つて見たらばさばさやつてゐたのて(忘れたのでよす)