小包 醇郎より

七月一日 火曜
午前中雨午後止む 時々小雨
幾日もの疲れに何としてもねむく新聞も読めぬ程な
りし故午前中床に入りて休む昼飯を食せんとせし処
へ㐂七氏来る田の草を取る 昨日残りし土管
三本背負ひて矢ヶ崎に行き帰りに糀やに寄り
米の事を聞きしも出来ず帰宅㐂七氏に三時のお茶
を出し農協へ行き卵五百匁出す金三千円引き出し
を頼む
来信 醇郎 平林ます氏
欄外メモ ◯ 半日

七月二日 水曜
小雨 㐂七氏朝飯をすまして来る 其内に止み
午後四時頃又降り出す
福沢竹内武内氏死去葬式に行く㐂七氏に十一時
半頃昼飯を出して 法事に呼はれしも㐂七氏
居る故出棺を見送つて帰る家に帰りて三時半
㐂七氏にお茶を出す
福沢の葬式の内より餅御馳走等いろくとよ子さん
持つて来てくれる少し㐂七氏にも上げる

欄外メモ ◯

七月三日 木曜
雨 前夜中降る
十時頃に四枚のはかきを書きオニバに出しに行く
帰途今朝雄氏方へ寄り池の人夫賃を上げる 八日で
千六百円也 今朝雄氏に渡す
御社宮寺の豆の植直し カチクモロコシ等を植える
発信 平林 河西 山崎氏 水野氏へエハガキ

七月四日 金曜
田のアゼ豆の植直し 外アゼの草取りを
なす 一日かヽる

七月五日 土曜
天気よし珍らしく雨なし
㐂七氏来り 米つき 夕顔木うり手の木を
山より伐り来り作る 下駄ヌギ石を運ぶ
池のまハりの土を直す
欄外メモ ◯

七月六日 日曜
天気よし 庭の畑の草取り カチクモロコシヲ植
える ねきの中牛房の中前より気にかヽり
居りし処を仕上げる とまとの中も草取り
トマト五本中島まことさんに上げる
二つの雞の巣の掃除をなす大変の糞なりし
八時頃迄庭に仕事をつヽける
梅五百匁買ひ水につけて置く

七月七日 月曜
天気よし 豆のもやしをこぎ 大河原の畑へ植直し
に行く先頃蒔きし豆殆んど皆鳥に食はれ小豆
のみ残り居る 持参せし処にてハ上の畑の半分位
やつとなり帰りて庭の畑の草取りをなす午後にハ
畑をさくり トマトを植え替えなり庭の畑ハ手の入れる
仕事か無い様になす シソを取りて洗ふ梅も洗

七月八日 火曜
くもり 大河原へ植直しに行く残りのオノーヅにてハ
一本づヽ植えて下の畑かやつとおハり少し不足
上の畑の昨日の残りにハ小豆を蒔き帰りに
いろくの花を取りて佛様と食卓にさす
昼食ハ冷きまヽ食す梅を漬ける
午後休み居りしに米買ひの人大声にて呼び一俵渡す
三八〇〇也夕方池のまハりに花を植える 風呂をわか
し入る久しぶりにてアカ多く気持よし

七月九日 水曜
八日頃より梅雨も上り夏形の暑気来る様伝へしも今日
もくもり涼し夕方より雨となる
じゆばん三 上張り二 モンペ二つ洗ふ 午後卵四百匁
持参す それより矢ヶ崎へ行き下駄台トマトナス等
買つて来る 下駄へハナヲをつける夕飯後に少し
やつて終る
麦の脱穀の主任をきめる 卓也氏にきまる
福沢の秀三氏方へ行く都合なりしも出来ず時間無くて

七月十日 木曜
くもり午後より雨 モンペのつぎ二足なす夏じゆはんの
手入ゑりかけ ゑり其他少し洗濯もなす
午後福沢へ行くつもりなりしも雨にて出られず
そうきんも夜迄かヽりさす
昨夕さわ子氏家の光二冊持つて来てくれる
それを少し読む
山道にとりぐの花つみ来しに
同じ花家の垣根に咲きみたれ居る

七月十一日 金曜
昨夜来大雨朝になつても止まず
雨にて仕方なく縫物等す十時半頃雨止む急ぎ
支度して矢ヶ崎の局へ行く金無く用足らず帰途
三浦やへ寄りササラツケギ等買ふ摂郎の同級生なる主人
居り親しく話す快きものなり昼食後寺へ施餓鬼に
行く新やのも頼まる帰りに墓へ寄り供へる

七月十二日 土曜
前夜来非常なる大雨なりしも朝になりて止む
昨日今日来る様局員に云ハれし故行く局に
金届かず待つてくれと云ハれ待つ併中々金来らず
給ふ金ハ全部貯金にし一部丈出してくれる下りがけ
に三沢つき氏に逢ひ私方へ行くとの事なりし故帰
りにブタ豆腐等買ひ来るつき氏田村氏方に居
らず笹岡氏方迄迎へに行く昼食後来るいろく話し
夕飯ハスキヤキにして十時頃休む雨中々多し

七月十三日 日曜
晴れ日中ハ暑くカタビラを着様かと思ふ程
なり朝飯後つぎ氏帰るソーメン牛房を上げる
雑用をなし 午後オニバにて買物をなし福沢
の秀三氏方へ行く味出しケソリブも菓子キヤラメル三
を持参す こま餅の御馳走になり夕方帰る
午前田の棚赤くなりし故硫安を追肥ムラ
直しに蒔く

七月十四日 月曜
昨夜より大雨 午前中上つ張りの手入等す
午後念佛講養蚕につきくり上げにてなす行く
行きかけに卵三百匁醤油の麦ビンを持参す
農協休みにて信一氏方へ預け来る
念佛講二三人休みしのみにて出る
原茂氏の事人に頼む

七月十五日 火曜
曇り時々雨上つ張りを一枚つぎ庭の畑の人参
ゴマの中の草取りをなす
醤油一升麦五百八十匁と交換

七月十六日 水曜
久しふりにて晴れまも有りむし暑し
庭のこま畑及其辺の草取りをなし居りし十時頃
下諏方のブリキヤ来り話し頼む 矢ヶ崎へトタン
買ひに行き仕事をしてくれる お昼も夕飯も上げる
一食食べても助かる人々の様なりし故
夕方六時頃終る美しくしつかり出来なり雨とゆ
一間百八十円四間半代渡す 八百二十円少し多い様なりし
来信 三沢つき氏

七月十七日 木曜
どうやら入梅も終つたらしく晴れま多し
㐂七氏田の草取りに来る
客用ふとんねまき枕等干して倉に入れる
午後五時頃オニバへ買物に行く 魚けすりぶり
玉ねきなす ベンジン みの早生大根種等
松雄氏トマト其他消毒をしてくれる
欄外メモ ◯

七月十八日 金曜
雨 㐂七氏田ノ草取りに来る 一日中大雨なり
しも止めず
新らしきモンペを裁ちひもをつける迄に仕上
げる
夕飯後も降り居る
欄外メモ ◯

七月十九日 土曜
雨正午頃より止む
㐂七氏田の草取りに来る 午前中にて終り
昼食をなして帰る
卵二百匁出す 田の赤い処へ硫安を蒔く
午前雨の間に昨日のモンペを仕上げる客用敷ふとん
を新やよりお祝返しに貰ひし布にて裁つ
欄外メモ ◯ 半日

七月二十日 日曜
天気なれとも雲も有り涼し
午前中子供のねまき等の布探がしをなし
午後洗濯をなす白い小布沢山にて時間
かヽる其後にて菜種こなしをなし夕方
おそくなりしも終りたり 田の水を見に行き
帰りて洗濯物の処分等して八時になるそれより
夕飯をつくり食事終りて九時半なり直ちに休む
一生懸命にやつていろく形づきたり

七月二十一日 月曜
天気よし 朝飯後田のベロ虫落しをなし
タイヒの土を背負ひ田に入れる
色々の雑用をなし昼飯後休み支度をして
オニバに買物なから床やへ寄る お茶を頂
きしばらく話して帰る夕飯後区會へ行く
少しもきまらず時間のみ立つ故一人先に帰る
家に帰りて十一時過ぎなりき
明日㐂七氏麦刈りに来るにつき米を洗ひ休む十一時半
欄外メモ ◯

七月二十二日 火曜
天気よし風有り涼し 㐂七氏麦刈りに来る
山の上の上下終り運ひ終り御社宮寺は刈つて
運べす私に明日運へといふ
冬物のゑりふき干して倉に入れる勝手の戸棚
中の物全部にカビ多し皆洗つて干す
夕飯後㐂七氏に頼まれむすこの処へはかきを書
きやる八時頃より新やの人々と事務所へ
映画見に行く あヽ青春中々よし帰りて十二時なりき
欄外メモ ◯

七月二十三日 水曜
天気よし日中随分暑し
午前十一時迄かヽりて御社宮寺の麦をまるけ背負ひ
たり六束三回に 午後休み 単衣物のほどき
をなす 三枚 明日洗つて張るつもりなり
裏の内にて麦の脱穀をやり内ののもやつてくれ
ると云ひしも手伝ふ者私一人にて餘り気の毒
故遠慮す

七月二十四日 木曜
天気 暑気強し御社宮寺の畑麦を刈りし後
の草取りを十一時頃迄やり帰りて洗濯
少し休みて ごま 油ナの種 ホーレン草の種等を
きれいにする 夕方より油揚を作り一美氏方
へタンゼンの礼に行く 油揚と金二百円持参す
子供の御祭りを見お茶を頂いて帰る 十一時休む
帰る頃雷なり 少し降り始め夜ハ随分降る
明日麦の脱穀の餘定もだめになる
発信 三沢つぎ氏

七月二十五日 金曜
朝雨止む 和郎と醇郎に手紙を書き居りし
処へ一美氏妻来りオ茶を入れ話して帰る
十一時頃 それより田の水見に行く
午後休みし後四ッ身洗濯をなす池の土管ふさ
がり水出ず長い針金でつヽいても通らず作りし
人を頼む事にする夕方ナストーカラシの木を
新やより貰ひ植える池をつヽき居りし時に
ゴム草履片方失ひ買つて来る
発信 和郎 醇郎

七月二十六日 土曜
晴天暑気強し
池の水入らないので今朝雄氏に頼む
九時頃より麦の脱穀始まるお昼迄に政一郎氏
仁氏私も終る昼食後新や沢山なりき
手伝つて終り頃長田睦治氏来りしにつき其
後は手伝ハす助雄氏実氏二戸は全く手伝ハず客
夕方帰るそれより雞のヒヨコの巣清掃等なす
麦内一俵なり

七月二十七日 日曜
天気夕方より雨 粟の中の虫を取り干してき
れいにす 去年のゴマも干してきれいにすモチ糀米
の虫を取り干す 切干其他も干す虫のついた
袋二つ洗ふ 一日にて大に形つぎたり
夕方より矢ヶ崎へ行き菜種の油の事聞く
色々買物をなす 麦一升持参加工賃四十円
渡し 大パン八つ

七月二十八日 月曜
晴れたりくもつたり 㐂七氏来 りアゼ草を
刈り麦ノハシカをやき 内に有りし灰と合せて
全部田にまいてくれる 之れにて麦ノ事全く
終りほつとしたり 田ノ草を少し取る
夕方農協に行き す しやぼんを買つて来る
欄外メモ ◯

七月二十九日 火曜
前夜雨降りしも朝ハ止み居る
㐂七氏田の草取りに来る十時頃より雨降り
昼食後一時頃帰る
庭の畑へ八房青大豆を蒔く 雨にて止め
ほときものをなす午後休み後客用敷ふとん
を縫ひ上げカスリ四ッ身二枚なほしたり仕立たり
するつもりをなす夕方より風呂をわかし入る
欄外メモ ◯

七月三十日 水曜
天気 張り物 三反 洗濯もなす 夕方迄に
皆乾く 土用の丑の日とて 矢ヶ崎へ肉買ひ
に行きフタ肉にてすきやきをなし㐂七氏に
御馳走す すきやきは始めてらしく とても
うまひくと㐂び食べる
来信 和郎
欄外メモ ◯

七月三十一日 木曜
朝ハくもりなりしも其内に雨になる 㐂七氏芋掘り
大根まきに来る筈なりしも雨にて来らず
ほときもの敷布二枚のつき当て私の単衣の
仕立にかヽる
はかきを書きて出しに行く
来信 証子 発 証子