十月一日 水曜
天気よし 寒くなれり
朝投票に行く 白菜を間引き後へ硫安を
やる下座敷の障子四本きれいにして張る 流し元
の二本洗つて乾かぬ故明日にまハす
モチ米新やより五升借り アワ二升 合せて洗ふ
不用のものハ倉へ入れる
来信 中谷あき江氏

十月二日 木曜
朝非常に寒し原氏三区㐧二位に当選せし由一美氏
嫁さん来る 久夫氏一美氏皆礼に寄る
勝雄氏来りカボチヤ取り畑も美しくしてくれる
夕方より餅二回ついてくれる十許持たせやる
昼御飯をたきトブ甘酒を作る温度をかける
為めにこたつを作り当てる
来信 河西氏

十月三日 金曜
天気よし 家の奥三間と玄関部屋を掃除をなし全
部ソーキンをかける 倉に入りてふとんねまき
等を出し 掛ふとんへゑりかけ等す
夕方より矢ヶ崎に行き油 鯉 キユース等を買
つて来る夕飯後ハ餅切りすつかり疲れたり
昨夜の餅つきの後の形つけもなす

十月四日 土曜
天気よし 朝より鯉を煮て置く掃除 形づけ 等 大多忙になす
午後四時五十八のバスにて友人七人来る 三沢かつ江氏
後より来る 卒業後始めての人ハ宮入信氏砂崎れん氏
黒崎佐永子の三氏外にて逢つても分からぬ様なりし
此夜河西氏主になりて トンカツ 野菜サラダ 松茸やき キノコ汁
キントン フナワカサギ アエモノ 等 酒二升 マスミ ブトー酒
来客者 黒崎佐永子 砂崎れん 夏目志づ 宮入信 三沢かつへ 馬場鉄 平林ます 河西えつ

十月五日 日曜
天気よし 朝 酒悦ノフクジン漬(黒崎さん土産)卵
味噌汁(キノコ ナス)
昼食ハ汁粉 外色々
夜ハ 鯉
此日夕方写真を取る庭と門の処にて 三沢氏泉野へ
法要に行き後より来りし故夕飯後来て貰ひ座敷
にて食卓共に為す 一生の話をなす床に入りしハ二時

十月六日 月曜
天気よし 此朝皆にて道を立ち上諏方へ行き湖
水の魚を買ひ順々に立つ事にすハイヤーニ台
呼び私も茅野迄送り三沢氏と二人下りて
竹内さんへ行き診察し貰ひ歯いしやに寄りな
ほして貰ふ 帰りて出来る丈形つける終わつてほつ
としたり

十月七日 火曜
雨午前ハ細雨午後本降りとなる
糀やの妻君に来る様に云つて行く留守学校
運動會に行きしとてひで子氏に云つて置いて帰る
夕方四時頃妻君と小さい女の子と来る夕飯を
上けるつもりなりしも急き帰らる新やよりの帯祝の
お赤飯を少し食べる
小学校の運動會にて七十才以上の人招待され行く
つもりなりしも雨にて行かず
糀やより糀牛乳を貰ふ

十月八日 水曜
くもり時々小雨 午前中栗の残りを勝三氏を頼
み落す 後ふとん干を作りごまを刈つたりして
昼食を上げて帰らる 此日婦人會有りしも
疲れ居る故行かずカマ大なべ大やかん等
洗つて倉に入れる午後床に入りてよく休む
此日秋の清潔なりしも此間の客の前になし
し故それにてよかりし
糀を分けて政一郎氏方へ上げる菓子一斤今朝雄氏方へ池を
なをしヽ礼として上げる

十月九日 木曜
晴天なり
客用ねまき ふとん 枕等干して倉に入れる
来信 馬場氏 井上氏

十月十日 金曜
朝くもり日中晴れる
昨日のつヽき ふとん類を干して 大方形づける
カハーを洗つてつけて形つける布ふとん三つ丈
残し全部形づける
㐂七氏麦蒔きに来る大河原丈にする
ヨウセイリンピ及石灰窒素を合せてやる
夕方より田へ鯉取りに行きしも中々水引かず
中止して帰る
来信 黒崎文子氏 河西氏 平林氏
欄外メモ  ○㐂

十月十一日 土曜
くもり小雨 家の雑用をなし十時頃出宅矢ヶ崎の
局へ 行きそれより竹内さんへ行き診察を受け薬
を貰ひ帰る帰途写真やへ寄りしに表の庭ののは
だめのよし夜ののは別に願ひたいと云ふ
帰りて床に入りて休み夕方 やえの氏へ残りの百円を渡し
㐂一氏方へトブの借りたのを返すリンゴを五つ貰ふ
河西氏平林氏にハカキを書く
黒崎氏の手紙河西氏に出す

十月十二日 日曜
天気よし 昨日書きし河西氏平林氏にはかぎ出す
田へ鯉取りに行きしが水無くなり猫かつき居り
一匹も居らず 小豆の木を取り来る 御社宮寺
の畑の小豆を取り運ふ 昼食後ゆつくり休み四時頃
より山の上の畑へ行き小豆を取り夕暮れ頃帰る
六時より風呂をたきつけ夕飯後入る
発信 平林氏 河西氏

十月十三日 月曜
くもり 日中ハ暖かなりしも朝晩冷える
三人へ手紙書き昼食後雑用をなし歯いしやへ行く
人少くゆつくりやつて貰ふ 工合よい様なり
明日新やで石碑を建てると云つて来る勝之氏
方へ行き聞きしに空手で手伝ひに行くとの事
私も空手で行く事にする
来信 三沢かつへ氏 発信 黒崎文子氏 馬場鉄氏 宮入信氏

十月十四日 火曜
天気よく日中暖かなり
新やへ石碑建立手伝ひに行く
小あじのフライを作つてやる中々好評なりき
夕方早目にすみ早く休む
冬寒い間来よとしきりに云つて来る冬の
私の身体をあんじての餘りなり
来信 醇郎

十月十五日 水曜
うすぐもり夕方より小雨
沢山の洗濯をなす客用枕カバー敷布外に
自分の物沢山 風有りよく乾く
午後三時頃より御社宮寺のさつま芋掘りに行く
数ハ少けれども大きいのか有り半分位掘りしに夕
ぐれ迫り帰る
午後白菜に硫安をやる鯉を煮たナベを洗ひ茶
わんも箱に入れるだんく形づく

十月十六日 木曜
雨後晴れる 茶わん類を倉へ入れる
気分悪るく午前午後二回休む 昨日一日中働き
つめし疲れの様なり
明日念佛講に行くにつき大根人参芋等洗ひ
栗をゆでヽむきさつま芋をふかしつぶす
来信 夏目志づ氏 中谷あき江氏 発信 醇郎 三沢かつ江氏

十月十七日 金曜
天気よし 栗きんとん 野菜煮を作る 朝早く
当番故カンノン堂へ行き掃除をして置く
午後一時頃より行き夕方帰る 出席の人十二人
秋の稲刈りが始まりし故出ない人あり
勝四郎氏 ふく氏 みな氏ハ病気のよしなり時候
の変り目にて病人多き様なり
夏目氏よりみかんの小包来る 来信 林省吾氏

十月十八日 土曜
天気よし 夏目さんへ封書 林さん平林さん中谷さんへ
はがき書き 十二時一寸過ぎに出しに行くほつとしたり埴原田
農協で切手を買ふ 着物を干して形つける
林さんより婦人公論六月七月号来る

十月十九日 日曜
天気よし 朝トブを仕込む中六帖へこたつを作り
そこへ当てる工合よい様なり
十時半頃より山の上の畑へ小豆取りに行く一回にハ
背負へず二回 十二時半頃に終る 食後休み三時頃
より山の上の下の畑のカチクモロコシを取りに行く
帰りて結んでサヲに通す残る
トブを作る為めにも必要故今秋始めてこだつ作り
当りしに工合よし其内表六帖へ移そうかと思ふ
明日ハ大河原の小豆取りに行かうと思ふ

十月二十日 月曜
天気よし こだつふとん及白いものいろく洗濯をなす
午後は洗つたものをほどき等す
午前にふとんの表を張り午後裏を張るつもり
なりしも日が没して出来ず日の短きにハ驚く
はかりなり
大河原の小豆取りは日を少し後らして全部取
つて来る方よからんと思ふ
レスタミン昨夜三つ 今日ヒル二つ 今晩三つ

十月二十一日 火曜
よく晴れ暖かなり朝より張物 洗つて張るもの
半天 表裏 長じゆばん表裏 ふとの裏よこれし個
所を洗つて張つて一形つきたり
もろこしをつるし小豆の皮をむき其他雑用を
なす
㐂七氏夕六時半頃寄りて雨無ければ二十四日に来
るといふ 明日より小豆こなし等やり縫物ハ稲刈
終つてからに仕様と思ふ
今晩三つ

十月二十二日 水曜
晴天なりしも夕方くもり雨模様なり
小豆こなし 始めて故 ネコを出したり庭をよく
したりして始む 三時頃に終る七升許
雨らしいので庭をすつかり形づけて夕方床に入り
て休む 疲れたり
晩三ツ

十月二十三日 木曜
晴天 小豆こなしをなす一斗弱
魚を煮て明日の用意なり
㐂七氏夕飯頃寄りて明朝早く起きて朝飯を作
る様云つて行く五時にハ食べられる様にしてくれと
平林氏の弟さん九州の唐津に四十年勤続の人六十五才
バスジコで死去されし由驚く黒崎氏の息も電
車事故にて死去のよし注意して居てもこんな事が
あちこちに有るハおそろし
来信 平林ます氏

十月二十四日 金曜
早く起きて見しに大雨昨夜休む時にハ雲一つ無
く晴れ居りしに変り易きハ秋の空とか驚き又
床に入る六時頃起きる今日ハこたつふとんを
作る裏ついだりはいだり縫ひ上げる
表もつきを当てヽ縫ふばかりになす
明日ハ天気の様故又米を洗ふ
発信 平林ます氏

十月二十五日 土曜
くもり夕方より天気よくなる㐂七氏方二人勝三氏
方二人稲刈りに来る 朝ハ二人丈 ヒシキカボチヤ
漬物 昼ハ四人 煮おこわ いろくの汁 さんまの煮つけ
ヒヂキ カボチヤ 三時 さつま芋のいふかしと昼の
汁の味 夕飯 トブ さんま 切イカつくだにひじき
ねき味噌汁 豆腐買ひに行きしも無し
四時半に起飯たきをなす五時半頃二人来り
六時には田へ出て行く稲刈はかどる
来信 証子
欄外メモ 勝三 息 㐂 妻

十月二十六日 日曜
晴天明け方非常に寒し四時半に起きる事実に
苦し 㐂七氏二人来る午前中に稲刈を終りアゼ
豆を取り稲穂ひろひもしてくれる
午後大河原の豆小豆 山の上の豆を取つて来て
くれる中々多し昼食頃写真や来り写真
十二枚づヽ持つて来る千八百円に負けると云ひ
渡す私ハ庭のさヽけ取り小豆の根を切り等す
大河原の大豆沢山なり山の上迄取つてくれて大勉強なりき
此日一般に寒くなり霜多し
欄外メモ 㐂 妻 大豆取り全部終る

十月二十七日 月曜
朝 天気 たんく雲多くなり午後よりあやしくなり
午後二時頃より雨
㐧三回目の小豆こなし朝一度たヽきひろげて置き御社宮寺
の畑へ豆取りに行く十一時半頃帰りしも天気あやしき
故昼食を後らし小豆こなし後形づけ昨日の取り来し
沢山の豆をのきばに入れたり上座敷のエン迄置く
こほれし小豆をひろいはき清め四時頃昼食をなす
表六帖へ始めてこだつを作る

十月二十八日 火曜
雨一日中秋雨しとくと降りつヽく
客用ふとん三枚カバーエリをつける
笹岡写真や袋を持つて来てくれる午後それへ
同好會写真を入れてはかきも書いて出しに行く
四時一寸前に局へ着く帰りて五時うすぐらくなつて
何も出来ず雞を飼つて一休みして夕飯つくりをなす
発信 平林ます氏 太田みつ子氏 中谷あき江氏 春日みき氏

十月二十九日 水曜
昨夜夜通ねあせ熱気有り気分悪しヽ
朝三七、二 正午三八二 夕方三七、七
雨降り タイアシン二粒づヽ飲む一日中安静に休み
居る熱か出れば一人て居るも不安なり冬ハ子供の
処へ行かうかと思ふ

十月三十日 木曜
天気よし熱少しでる 朝三七、二 正午三七、五 夕
昨日に比べて気分大によし 朝残りのタイアジン二つ飲み
昼食後ハアスピリン一粒足らす飲む気分よくなれば
仕事か目につきて床に許も入つて居られず干した
栗をふかし いがのを全部むく
来信 砂崎れん氏

十月三十一日 金曜
くもり朝三六、二夕方三六、四 一日働きつヽけても上らず
すつかり直つたらし何の熱なりしか兎に角ハ熱ハ苦しく心配のものなり
砂崎さんへはかぎ書き写真も出せる様にする
摂郎の処へ送る釜だんく後れて気にかヽりなから荷作り
困難にてのひくになつて居たが果物の盛りかご二つ上の倉の
二階より出し来り二つの間へはさみ工合よく荷作り出来
昼飯後出しに行く砂崎さんへも両方出しほつとしたり
いろく買物をして帰る帰りて庭の畑のモロコシを取る夕方
さかん氏方へ頼みに行き承知しくれる濱見氏方へへイの事を頼む
アスピリン龍角散メンソレータムを買つて来る龍角散を飲んで見る
発信 砂崎れん氏 来信 黒崎佐永子氏 太田光子氏 中谷あき江氏 馬場鉄氏 宮入信氏