三月一日
天気非常に暖かし昨夜は雨何故か昨夜は寝苦しくよく眠れず雨になる前に大風有りそのためも有りしか
朝三六、三 正午三六、五 夕六時 三七、五
三月二日
一日雨昨夜は割合快く眠れる昨夜の苦しかりしは竹内さん行き疲れし故にや食事の後に雑用の他は楽に休む新やへ上げる布を包み字を書く美しくなる
朝三六、四 正午三六、七 夕六時 三七、四
三月三日
暖かそうなり おひなさまの日天気にてよし 新やへ赤ちゃんが来るにつき客に行く米一升一つ身表裏持参す
朝三六、三 午後八時三七、
三月四日
朝はかなり寒い様なりし新やへ法事に行く米二升金三百円
朝三六、一
三月五日
くもり寒し 今日は医者へ行くつもりなりしも天気悪く昨日迄の疲れも有り床をのべて休む こだつに居れば咳も余り出ないのに床に入ればいくらでも出て苦し 午後二時までぐっすり休む
朝三六、三 正午三七、六
三月六日
晴天寒し朝より支度し雑用をすまし十一時過ぎのバスで竹内さんへ行くよく診察し貰って帰りは買い物なから歩く食事をおそくすまし床をのべて休む夕飯も遅くして休む小豆一升持参よろこばれたり
来信和郎
朝三六、 正午頃三六、八竹内さんで 夕 三七、
三月七日
晴天暖かなり病気も終わりに近づきしか気分よし昨日貰った薬よろしい様なり醇郎の家へ手紙を書き出しに行く咳の薬を頼む昼食後汚れし手拭いガーゼなど洗う
発信醇郎
来信貯金局恩給の事につき通帳提出せよの一通
朝三六、一 正午三六、二
三月八日
熱は無けれども昨夜何故にや咳多く苦しみ故にや今日は気分よからず 農協の選挙に行き午後はいろいろの雑用をなしそれきり床に入り休む 醇郎より咳のよい薬を送るといってきた
朝三六、一 正午三六、四 夕 三七、二
三月九日
天気よく暖かなり 思い切って和郎の処へ小包を作る 餅小豆干し柿くりくるみ凍り豆腐かんぺう等正午少し過ぎに終わりほっとしたり尚豆きなこ等入れたかったが目方一杯にてだめ 心配していた小包思い切り作って安心せり 和郎と綾子に手紙を書く雛の巣の掃除をなす 明朝は九時のバスにて行くつもり 一日中床に入らざりしに余り疲れもせず大いに回復せし様なり
朝三六、二 正午三六、五 夕 三六、八
三月十日
朝寒くうすくもり 局より扶助料支給票交付受けよとの通知有り局までバスで行く 和郎へも小包手紙出す尚貯金帳利子記入につき貯金帳提出せよとの事にこれも出す
竹内さんへ行き診察薬を貰い十一時三十分の北山行きで帰る 昼はパンとミルクですまし床に入りて休む 熱もなく咳も少し軽くなりしも食欲無く全体に疲労し居る 夕方より野菜サラダを作り(食べたいように思いし故)夕飯は初めてお勝手でなす運ぶ□□無く□省けてよし 発信小包和郎 朝三六、二
三月十一日
くもり午後より雨になる 薬を変えてくれしか咳も少なく身体もしっかりした様なり今度こそ徹底的になをそうとてあさより床に入りて休む 時候は大いによくなり農業の仕事は未だ無く一番よい時なり 午後床に入りいろいろ読む 夜大雨となる池に落ちる雨の音はげし 池の面に雨どゆの水あふれ落ちてさながら滝のごとく聞こゆる
朝三六、三
三月十二日
大雨も明け方より止み天気なり 昨日一日休み居りしも今日は気分よろしからず昨夜安眠出来さりし故か 河西氏より同級会の相談に十四日に来るとのはかき有り私病気故来られぬやう二人にはかきを出す午後少しの洗濯をなす 炭のカマスを下ろして明けたり雛の大根を掘ったり久しぶりに足をお湯をわかして洗ふ 心地よし夕方床に入りて休む 今晩エフェドリンを一つ飲んで見やうと思ふ 発河西氏平林氏醇郎より小包来信河西氏 朝三六、二
三月十三日
晴天醇郎に手紙を書き十一時頃出しに行き昼過ぎゆっくり休みて糀やへカサ返しながら買い物にオニバへ行く 農協にフスマ無くタバコやにて買ってくる 便箋もフートーも□□間にあって便利なり 糀やで傘の御礼に菓子一ヶ持参糀を貰って帰る
三月十四日
晴天暖かなり朝ゆっくり支度して竹内医師へ行く バスに間に合わず歩行十一時に竹内氏へ着くよく診察してくれ薬を加減してくれるよし 帰りて軽い昼食をなし床に入り休みおりし処へ伊藤勝之氏全快祝いを持ってくる それを又出し食べて休む さつま芋を買って背負って歩いて帰りしに疲れたり キントンを作るつもりなり□□のおはぎを食べたく作るつもりなりしが赤飯を頂きし故又次にする 勝之氏方快気祝い赤飯一重に風呂敷 衆院解散さる 代議士たる人もなかなか大変なり五ヶ月半位で
三月十五日
うすくもり暖かなり昨日竹内さん薬の加減してくださったですが咳が少し楽になり夜も割合眠れたり 夜具の裏をなおし等している処へ局よりの通知と河西さんからの手紙あり 同級会の事につき直ちに返事を書き出してくる 午後暖かなりし故鶏の巣の掃除をなし鶏糞の始末などなし夕方床に入りて休む 夜エフェドリン一つ飲む咳は確かに少ないようなり 発河西氏 来信河西氏
三月十六日
朝起きしに雪降りおり相当寒し こたつにしがみつきていろいろの物を読んで居る雪小止みにならず倉の前へ炭取り水くみに行かねばならぬが一寸も小止みなし 刻々はげしくなる様なり 倉へ布探しに行きかねば仕事もなし とう明後日は彼岸なるに寒国はいやになる 遠い処迄子供の通学可愛そうなり 自分の幼時には何とも思わずやってきたのですが 一日中雪降り続き解けない処は相当つもり此まゝ明朝降れば雪かきに出る事になるやもわからず
三月十七日
朝起きて見しに一尺五寸以上の大雪なかなか止まず十時過ぎに小止みになり組の雪かきに出る 急務の雪かきに骨を折る 午後念仏講に行く 明日は当番故其用意をなす かんぺうを煮たり等なす
三月十八
日天気よし朝よりかんぺう凍り豆腐ほうれんそう等を煮たりかぼちゃを煮たり午前中かかりて二重作り昼後出て行く 全員十四人世話人二人お寺様皆にて十七人 盛んなりき 洗い米七合かんぺう三把すし十本出し残りしのみ一重へ七本入れる
三月十九日
天気日中暖かなり 朝より友繁さんへ手紙を書き竹内さんへ行き受付にて薬丈貰ひ帰途矢ヶ崎の局にて友繁さんへ五百円送る 局の袋にて現金封入にて送ってくれる中へ手紙も入れて 昨日のいろいろ片づけ等し後は休む 念仏講は行かず家へ帰りしは二時過腹はすく疲れやっと帰る それよりわかさぎを煮たりして昼をすます 疲れし故にか此夜は咳多くよく眠れず 竹内さんまで後後歩くと疲れる 発友繁さんへ手紙 見舞金
三月二十日
小雨日のさす時も有れとも止まず 卵をきれいにして昼食後もって念仏講に行きがけに農協に出す 八百匁と思いしが先ではかって七百匁なりき 念仏講に中島伸武氏の供物を預かり帰りてメイ玉菓子を上げる
来信醇郎
三月二十一日
天気 朝より倉の片づけ掃除その他雑用をなし昼食後念仏講に行く 今日はお中日とてたくさんの人が参拝 お供物も非常に多く皆にて昔の盆踊り等いたし楽しき半日を過ごし御供物などを貰って帰る 新屋へ少し上げる 明日は私の当番故心つもり等なす
三月二十二日
晴天暖かなり 此日埴原田紫雲寺に有る仏像三体東筑芳川村へ出開帳につき七時半寺へ行く 東筑から迎へ七人来たり八時半頃大バスにて出発寺世話人念仏講人等大勢行く それより急ぎ帰りてテンプラ煮物等なし一時頃行く 夕方まで話し帰りて回覧を持って実氏方へ行きしにおひでさん居り寄り込み夕飯を頂いて帰る 念仏講の御馳走の残りを笹岡方へ上けて帰る 来信河西てう氏
三月二十三日
雨 伊藤三平氏墓参りに来り寄り原氏の選挙の事を頼む 午後念仏講に行く 最後故ゆっくり話し薄暗くなりて帰りしに立石とし氏とみの氏息と三人宅に待ち居りとまり十一時頃まで話し休む 餅一重持参 それを夕飯となす ふとんを出し枕敷布等等出して間に合いたり 雨降りにていやな日なりし 来信綾子
三月二十四日
天気よし早く起き朝飯をすまし皆にて墓参りに行き直ちに□□□へ行くとて出かけるそれから布団枕夜具ねまき敷布等々日に当て倉へ入れる 一時半頃より寺へ行く夕飯迄頂き五時頃帰る 前夜おそかりし故早く休む
三月二十五日
雨降ったり止んだり午前河西氏にハカキを書き出して来る 午後寺へ婦人会に行く
挨拶に始まり布教師の話し有り後余興に踊りいろいろ婦人会員たちにて老人と茶番劇を為し盛況なりし後お茶を頂き帰る 子供やかましく布教師の話しもよく聞こえず残念なりし
発信河西てう氏 来信友繁健之介
三月二十六日
天気大いに暖かくなる 昨日まで毎日行く事有り出ており疲れの気味有りいろいろ読んだりして休む午後少し洗濯等をなす 今日は咳の薬何も飲まないが咳大いに少なく気分よし身体を動かす事しゃべる事が咳に良くないようなり
三月二十七日
晴天 昨日は咳極めて少なく喜び居りしに夕飯後床に入り一眠りして目を覚ました頃より非常の咳にてなかなか眠れず夜中にエフェドリン一個飲みしもきかず朝まで苦しむ 昨日も一日こんなに大切にして居てこの様に悪くなったり何故にや□□腹立たしくやけ気味にもなる 午前大切にしていて少し洗濯をなし午後も大切にして居る
敷布のつきを少しなす
読み物に日が暮れる
三月二十八日
くもりなれど風無く暖かなり 本日区の同研会より敬老会に招かれる 午前雑用甘酒をわかし朝鮮漬けと共に亀蔵氏方へ上げる 午後敬老会へ行く二十円という人もありしが下組の人来たり三十円というそれにする音楽おどりなかなか盛り沢山にて夕暮れ頃帰る 本日も醇郎よりの薬二回飲む 日中と夜咳少なく大いに楽なり 寺より帰る頃雨降り居り急ぎ帰る
三月二十九日
朝起き見しに昨日の雨が雪になりかなり積もり居り驚く 今日は鶏のエサ等買いに出るつもりなりしがどこへもでれず
とよみさんが森元氏より退職公務員新聞をとどけてくれる よく読む軍人恩給も出てめんとうになりしが二割余りでこぼこ直しに成ると有りし 雪重く除雪に苦労する一寸かいて置く自然にとけるから
発百枝
来信中村靖彦 河西てう氏
三月三十日
雪のために寒さつよし 流しまで凍る ゆっくり支度して矢ヶ崎の局へ行く 金少し引き出しはかきなど出す 帰りに鶏の飼を豊平農協でフスマ沢山売ってくれやっと皆負って帰る 午後平林氏へ返事の下書き等し休む
局長さん先に間違って来たカハセを返した事等礼を言ふ 土日に来よと言ハる 若い局員二人を指導し居る
来 平林ます氏
発 河西てい氏 靖彦
三月三十一日
朝凍る程なりし 曇り 午前お使いばきの下駄のハナオを作り早めに昼を食し信衛さん方へ道ぶしんの事を聞きに行く 留守奥さんと話して帰る 帰り道伊藤一美氏方へ寄り少し休み原茂さんの演舌を聞き帰る 外出せし日は割合によく眠れる 十時頃より朝四時迄一ねむり左様な事ハ今までに無き事なりし
発 平林ます氏