六月一日
雨夕方止む 農業会に行き通帳を貰ひいろいろ買物をなす 昼食後矢ケ崎へ行きトマト苗二十本買い来たり夕方までかかりて植える 来信綾子 発綾子
六月二日
一日中曇り 喜七氏来たり大河原の麦畑の手入れをなす 私は午前中田の水見に行く 昨日のトマトの手をやり四着上っ張り整布 枕掛け等洗濯す 午後大河原に行き畑の草取り肥料やり上へ覆いをかけ等し大河原の上の畑仕上がり帰る
六月三日
雨 喜七氏食事前に来り米を利用部へ持って行ってくれる 昼食後大河原の下の畑を仕上げる 五時頃醇郎来る 煮魚 おしたし さらだ
六月四日
曇 喜七氏来り田のむら返し タイ肥ひろげ あせ草刈をしてくれる 午後四時頃より矢ケ崎へ買物に行く フダ肉を買ふ フスマ二〆匁便箋ノート リンゴ ビワ 夕飯すきやき 休む時間は十一時なり 来信 平林ます氏
六月五日
朝より大雨 今日は醇郎の立つ日なり 朝早くおき味噌汁も新しく作る ホーレンソーも取りてゆでる 昨日迄の料理沢山有りて並へきれない程なり 七時に起し支度す カリニカン タイカドーフ アメ クルミ コーヤドーフ などよみる新しい風呂敷きに包み上げる 送って後少し形つけ 十一時より床に入りて休み二時まで一眠りしそれより昼食をなす 又夕方まで床に入り休む 夕方大雨も止む 来信証子 綾子
六月六日
天気 午後より雨になる 九時の下りのバスにて竹内さんへ行く 咳のために左横腹筋がつりて痛く苦し そこへ注射をして貰いしも余り効無し 午後休む 醇郎に手紙を書き出しに行く 綾子に私が行かれぬ様子云って貰ふ 夕方醤油買いに行く 新やが田植え始まり赤飯を貰ふ
六月七日
十時頃迄はくもり一日よからんと思ひしに十時頃より雨 午後本降りとなる 喜七氏来り草刈り背負ってくれる 山の神丈で終る 大雨の中を草を背負う事気の毒なり 五時半頃大雨ですっかりぬれて夕飯も食べず帰る 山の神の畑丈で七日は一日終りしなり 夕方何となく気分悪しかりしが熱三十六、八なり
六月八日
朝の間は大したことは無い様子なりしが其内に大雨になる 喜七氏来り屋敷田の土手の廻りを刈りひろげる 今朝雄氏都合馬耕は十日の由なり 午後晴間有り 天気回復と思ひしに夕方又降る 発平林ます子氏 竹村政枝氏
六月九日
昨日夕方迄にかなり降り居りしが台風一過今日は洗ったような好天気 十一時より庭の空畑の草取り一時半までに終る 午後休んで後農協へ行きサツマ芋苗を貰って来る 庭の畑へささげを蒔き御社宮司へさつま芋を植える
六月十日
晴天ダリヤの根分けをなし二株勝三氏方へ上げる 後ハ庭へ植える コレーもこいで上げる午後米(魚や）を一斗売る千百五十円也 農協へ卵七百匁出す 今朝雄氏最後のシロに来る 妻と子供にて肥料を運びまいてくれる 咳が多く午後床に入り休む 気分引き立たず何する元気もなし 今度は竹内さんの薬少しも効無き様なり生活の悪るき為か 来信醇郎
六月十一日
天気よし 午前中から庭先の草を取る 明日の田植えの用意いろいろなす 夕方買物にオニバへ行く生サバ イシン 木ウリ ワカメ 等 ミカン アンパン アイフ 等々 明日の赤飯の米を洗ふ 餅米二升 小豆二合位
六月十二日
うすくもり夕方一時大雨有り 田植なり 四時に起きる四時半喜七氏来るさかん氏やす氏新屋より二人 十時に苗取り終り下の田一枚仕上げて昼食 十時半一寸過ぎ赤飯ニシンの煮付け 木ウリわかめ汁 じゃが芋人参氷豆腐 カレー玉ねぎ三時五円のパン十五 昼の汁の実 木ウリみ 生サバの煮付けおしたし木ウリワカメ等などトブロクを上げるアメ百匁買って出す 大方終る皮膚炎痛み苦し
六月十三日
晴天 昨日の疲れにておそく起きる 朝飯後何となくだるく床に入りてや休む 昨日のセイロウシキノナベカマ等など洗い外のなべかまも皆油をぬる 油の入った皿など幾つもきれいに洗う 肌着其他洗濯をなす
六月十四日
晴天 朝遅くおき八時にやっと朝飯を終る 田の水見に行く下の田穴二つ有り中の田の アゼに大きな穴有り 水の中に入る序でに上の田丈植え直しを終る帰りて休む チンク油始めてアケル 沢山なり塗ってみる具合よき様なり 同じ薬でも古くなっては効力少なきか 午後床に入りて休み四時頃より庭上の畑草取り全部なしゑんどうの手をやる
六月十五日
天気よし 庭のじゃが芋の草取り半分程できる 身体の具合よろしからず床に入りて休む
六月十六日
晴天 ジャガ芋の消毒に出る私の内が一番先にやってくれる 御社宮寺丈手伝ひ早く帰り床に入りて休む 腰痛く咳も多く苦し二人に手紙を書き出しに行く アスピリン一錠づつ午後と夜 熱午後三時三十七・七 発醇郎 和郎
六月十七日
晴天暖かなり岡谷の商人よりお茶魚飴玉を買ふ 午後念仏講に行く 帰りに勝四郎方へ見舞いに寄る アメ玉と雑誌二冊お茶を頂いて帰る 熱三十六・五
六月十八日
雨 昨日いろいろと出歩きし故にや朝三十六・九有り アス半分飲む 田の水を見にまいりかぼちゃの植え直しなどして床に入りて休む 午後も休み午後四時頃より冬の衣類の形づけ等し東京行の羽織の裾をなほす 気分よかりし故 夕方は熱少なくこれで下がってほしいと思ふ 朝三十六・九 夕三十六・六
六月十九日
くもり 前夜は大雨なりしが止む 竹村氏より葉書あり明日二十日土曜日に中央病院へ東京から院長来ると有り明日行ってみやうと思ふ 御社宮寺の畑へコマを蒔き尚空いた所へ小豆を蒔く 衣類や明日の準備をなす 風呂をわかし入る余り久しく身体よこれ居りさっぱりす 朝三十六・九 来信竹村美喜治氏
六月二十日
朝の下りバスにて竹村氏方へ行き政枝氏同行しくれる 血沈 痰 レントケンを取るお昼ハ竹村氏方にて御馳走になる サシミおいしかり 卵十とぞーりを持参す 菓子一斤ふ一袋ビワ百匁ぐらい貰って来る 帰りにいろいろ買物をなし帰る明日朝病院へ行く写真のことを聞き外いろいろ院長から聞いて貰ふ様政枝氏に頼む 東京林さんより婦人公論三四月号と臨時増刊三冊来る
六月二十一日
くもり 午前と午後床に入りよく休む お昼はサラダを作りおいしく食べる
六月二十二日
午前くもり午後大雨となる 竹村氏方へ行き写真其他いろいろ聞き薬も貰って置いてくれる約束なりしに政枝氏昨日病院へ行きいろいろ聞きしが明日私が行くなら病院へ来よと云ひ薬もくれなかったとの事故仕方なく政枝氏と行く 丁度院長もいて内の主人の事もよく知り居り親切にしてくれる こんな時の為の子供故来てつくすがよいとしきりに云はる 院長菊沢の人にて老母一人居る故この病院へ来たと云ふ 一週間に二回注射 月金今日もやる 痰には菌なし写真少し気管□□ 来信和郎証子
六月二十三日
午前曇昼頃より大雨 喜七氏来て田の草取りをなす 山の上の畑へ豆の植え直しをなす
六月二十四日
雨降ったり止んだり 喜七氏来り庭に畑の草取り手をやる 田の草も終る 念仏講へ寺へ行く日ナリシモ行かれず 事務所へ買物に行き帰りにサカン氏方へ払ひに寄る 苗間 五百七十円田植え一日二百三十円 農休み故おはぎを作る喜七氏婆さんにもやる
六月二十五日
天気回復 喜七氏来り朝大河原へ豆の植え直しに行く 新やへ払いに行く掘り返し二百田植え二日八百円より取らず 田村やす氏にも払う 二百五十円也 喜七氏庭の芋の中ささげの中をさくる 芋には硫安と過石をやる 新やよりナス苗を貰ひ私が植える 二十五本程 カボチャにも追肥をやる農協より五千円出す
六月二十六日
朝雨一日くもり 喜七氏来り御社宮寺の畑及庭の畑の事をやる 午前中手紙摂郎林さん百枝醇郎と四人に出す 松崎氏を頼み味噌を仲谷さんと醇郎に出す三百五十円也 夕方オニハに買物に行く喜七氏に払ふ 一日百二十円とのこと 田植えに二百円也田植の外十八日半全部にて二千四百二十円渡す 発信摂郎 林さん 百枝 醇郎
六月二十七日
朝雨なりしも其内止み曇夕方又雨 バスに間に合はず歩行にて中央病院へ行く矢ケ崎にて二千円出す 薬のことを話し診察し貰ふ 竹村氏奥さんずっとついていってくれる 帰りて昼の御馳走になる 美喜治氏と帰り来り話す田の水見アゼに□をさしコショーの木を植え夕方一休みして今朝雄氏方へ払いに行き夕飯の御馳走になり九時過ぎ帰る 二千二百五十円払ふ
六月二十八日
小雨 小野満氏に支払いに行く 水引の所のトユ代 百二十円渡す 一休みして仲谷氏摂郎醇郎に手紙を書き出しに行く 午後は大雨となる床に入りよく休む 田中鶴作氏方へ四百五十円支払ふ 北九州大雨被害大きしよしおそろし 此月の支払全部終る
六月二十九日
曇時々雨午前中和郎に手紙を書きオニバに出しに行き買物をして帰る 午後床に入りて休みそれよりいろいろ洗濯をなし便所の後ろの草を取りトマトを移植す皮膚炎の具合悪しく苦し
六月三十日
くもり午後より大雨 朝七時半出宅に病院へ行く一時間位待たされて診察□□粉薬二色七日分 帰途竹村方へ一寸寄り庭にて話し十時五十分米沢行きに乗り帰宅一休みして昼食又休みて夕方庭の草取り等なす 田へ水見に二回行く