○十月一日 (火) 晴 暑
午前、延世、市役所へ行く。留守番。かへってから学校へ行く。朝、定方來る。
午後一時、教育会館。文聯第一回教育委員会。三時半終了。
ヴァルガ著広島定吉訳“ドイツ帝国主義の歴史的特殊性”、石田正三訳スターリン“辯證法的唯物論と史的唯物論”をよむ。
九月は概して暇であった。その代り本はよめた。
延世の方の会計、九月は1000円を越える。
○十月二日 (水) 晴 暑
午前、学校。庭球部の練習をみる。うまくはなったが未だし。
午後四時半女子附属へ行く。五時から土橋氏送別会。土橋氏東大学生部へ轉任。
レーニン“唯物論と経験批判論”をよみ始める。
社教理事会缺席。
発信 文明社書店.
○十月三日 (木) 晴 暑
午前、学校。非常に天気が良い。又大変暑い。庭球部練習の最後。
午後三時、土橋氏出発。駅に見送る。
”マルクス主義経濟学”をよむ。
久し振りで入浴。
明日の仙台行及び女子文化学院講義の用意。
発信 社会科学良書刊行会、夏目書店.
発信 夏目書店.
○十月四日 (金) 雨 冷
発信 石母田正.
受信 甘粕石介、理想社、醇郎、今泉三良.
午前十時、女子文化学院。十二時迄哲学の話をする。
午後三時十五分山形発、五時五十分仙台着。雨の中を中村氏の家へ着く。
○十月五日 (土) 晴 寒
九時家を出る。途中で蜂屋に会ふ。一緒に野球場へ行く。十一時から山形對弘前の野球が始まる。途中から一中へ行って庭球をみる。山形對北大。大敗。榊旅館へよってかへる。
中村氏の家停電。
○十月六日 (日) 晴 暖
午前八時半家を出る。九時五分一中着。北大對弘前の残り。弘前勝つ。山高對弘前、四對一で勝つ。二回戦でも結局勝つ。三すくみだが点對で北大の優勝。榊旅館で畫食。東一番丁を歩く。賑か也。
○十月七日 (月) 雨 寒
午前九時すぎ中村氏の家を出る。十時仙台発、午後二時山形着。おそい汽車である。雨の中を家にかへる。
今度は山形で停電。
発信 民主主義科学者協会、キネマ旬報発行所、小松醇郎、小松いさの、中村吉治、今泉三良.
○十月八日 (火) 晴 暖
午前、学校。十時半、教育会館。教員適格審査委員会。午後三時終了。かへりに共同書籍による。大熊さんに会ふ。“図書展望”創刊号出來。スマート也。
受信 文明社書店.
○十月九日 (水) 曇 冷
午前十時から教授会。
午後演藝館へ行って“祇園の姉妹”をみる。
発信 文明社書店.
○十月十日 (木) 晴 暖
午前八時半から始業式。
午後、家にゐる。
午後五時寮へ行く。新入生歓迎晩餐会。七時家へかへる。
“哲学評論”創刊号着。美しい雑誌である。
“唯物論と経験批判論”上巻読了。大内兵衛著“帝国主義戦爭と戦後の財政問題”をよむ。
発信 斎藤三郎.
受信 健民編輯部、哲学会会計、日本読書組合.
○九月十一日 (金) 晴後曇 暖
今日から授業開始。文三、哲学。ゲーリンクスから。理甲三、宗教改革。
午後、外出。文聯で種々打合せ。高陽堂、山新、遠藤、共同書籍による。
“野呂榮太郎と民主革命”をよむ。
発信 健民編輯部.
○十月十二日 (土) 曇後雨 暖
午前、文二、概念の種類。リ三乙、宗教改革。メランヒトンは略。文三、パスカル。
午後、税務署と野球。大敗。
受信 青山書院.
○十月十三日 (日) 曇後晴 暖
午前九時発のバスで天童へ行く。十一時―午後一時、話と座談(天童公会堂)。
午後二時発のバスで山形へかへる。共同書籍の読書相談所へよる。田中さんと新関氏。
夜、渡辺友市がくる。
山﨑正一著“認識批判”着。
延世も駄目な人間である。精神力が無い。境遇が結構すぎるのである。
発信 青山書院.
○十月十四日 (月) 晴 暖
午前、一年、論理、話。一年生は神妙である。文二、論理、つづき。
午後三時からクラス・マッチ打合せ。
夜、佳山外一人來る。劇の話。
“ふすま”の原稿を書く。600字。
入浴。
○十時十五日 (火) 雨 寒
午前、学校へ行く。十時半、教育会館。適格審査。今日は六人だけ。午後二時半終了。
午後三時、ホール。庭球部のコンパ。
○十時十六日 (水) 曇 寒
午前、学校。九時半、教育会館。適格審査。昨日と同じく六名。午後一時半終了。学校へかへる。
“ドストエフスキイ全集11”着。
夜、福永がくる。
“唯物論と経験批判論”(中巻)読了。
○十月十七日 (木) 晴後雨 寒
午前、原清治外一人來る。延世、子供二人つれて街へ行く。西谷へよってお菓子をたべた由。
午後一時から教育会館で民主主義科学者協会山形縣支部創立準備会。出席十数名。四時終了。
○十月十八日 (金) 快晴 暖
午前、理甲三、つづき。文三、スピノザ。
午後三時からクラス・マッチ。25對1で教官ティーム大勝する。
“唯物論と経験批判論”(下巻)読了。
“民主主義科学”の余の原稿到着の由。
発信 見田石介、寺内清彦.
受信 見田石介.
○十月十九日 (土) 晴 暖
午前、文二、概念終り。理三乙、同じく。文三、スピノザ終り。道徳説は省く。
午後三時から教授会。学制改革の問題。五時終了。
“展望”十月号をよむ。今度のは割合面白い。
受信 後藤信一.
○十月二十日 (日) 快晴 暖
午前、雑用。
午後、学校へ行ってテニス。共同書籍へ行く。ニッセイの学生座談会へ行く。
停電。
夜、阿部來る。
発信 醇郎、林省吾、国民一年生.
○十月二十一日 (月) 晴 冷
午前、一年、封建思想の話。文二、判断。
午後一時からテニスのクラス・マッチ。教官ティームは文甲一、文乙一に勝つ。
午後三時―五時、教授会。
夜、桑原がくる。
発信 後藤信一.
○十月二十二日 (火) 曇後雨 寒
午前、学校。十時半、教育会館。教員資格審査。午後三時終了。
夜、“科学園”の原稿を書き始める。
発信 斎藤高津.
受信 斎藤高津、古沢滋榮、和郎.
○十月二十三日 (水) 雨後曇 冷
午前、学校。それから教育会館。教員適格審査。今日迄で7741名終了。これでしばらく休み。午前中ですんだので午後霞城館で“情熱の航路”をみる。
“科学園”の原稿“近代哲学の生命觀”終了。15枚。
“ふすま”第三号出來。岡崎君の“人民の為の学問”甚だよろし。
発信 寺内清彦.
○十月二十四日 (木) 曇 暖
午前、学校。縄、熊谷來る。普及講座の件。靴配給あり。
午後三時―四時、教授会。
“科学園”の原稿を送る。
十一月から米の配給2合五勺となる。
発信 古沢慈榮、世界評論社.
受信 串田孫一、石母田正.
○十月二十五日 (金) 快晴 暖
午前、文三、ライプニッツ。理甲三、ベイコン。
普及講座開講。
午後、今野、大河内兩氏山高生のため講義。
庭球クラス・マッチ。教官ティーム辛勝。
発信 農業新報社.
受信 農業新報社、中谷洋太.
○十月二十六日 (土) 快晴 暖
午前、文二、判断。理乙三、同じく。文三は休みにする。普及講座のため。
午後一時から庭球クラスマッチ。教官ティーム破れる。理甲二1が優勝。
夜、後藤信一、佐藤利清がくる。
受信 大地書房.
○十月二十七日 (日) 曇小雨 冷
午前十時から野球のクラスマッチ。教官ティーム勝つ。
午後三時から同じくクラスマッチ準決勝。教官ティーム勝つ。
和郎來る。
発信 大地書房.
○五月二十八日 (月) 小雨 寒
山に雪が降って急に寒くなった。
午前、学校。余の授業は止めにして普及講義をきかせる。大内さんの話をきく。
午後一時半―三時、高校のために大内さんの話あり。終ってニッセイへ行く。三時半―五時、大内さんをかこみ文聯の座談会。
“民科”第五号着。
朝、和郎出発。
受信 青山書院.
○五月二十九日 (火) 快晴 暖
午前、学校。雑用。
午後、学校。卓球クラスマッチ教官ティーム優勝。かへりに共同書籍へよる。
舟形の原稿“新憲法と農村文化”を書く。5枚。
“健民”の原稿“解放と自律の精神”を書き始める。
○十月三十日 (水) 晴 暖
午前、留守番。延世、駅へ行く。
午後、学校。三時から野球の決勝戦。教員ティーム負ける。
原稿のつづきを書く。
受信 都新聞.
○十月三十一日 (木) 晴後曇 暖
午前、家にゐる。延世、買物。
午後、学校。一時間程テニスをする。三時―四時、教授会。校長、上京して留守。追放か。
“科学園”創刊号着。これもきれいな雑誌である。
原稿つづき。
発信 健民編輯部.