○二月一日（日） 晴 寒
昨夜おそく“実存主義と社会主義”を書き始める。
午前、原稿つずき。
午後二時、美松。民科研究会。今井君の中共の話。五時終了。
夜、鈴木がくる。
共同書籍え本を持って行く。
金がいよいよピンチになって来た。
発信 山形新聞社。
受信 山形新聞社。
○二月二日（月） 曇 寒
午前十時～十一時、文化学院。スピノザに入る。
午後一時、社研。三時半終了。
ゲル･ピンに至る。
夜、雑誌をよむ。“潮流”（一月号）わ出色である。
発信 母。
受信 世界文化社、日本評論社。
○二月三日（火） 曇 寒
午前、学校。文三、十九世紀の哲学。
午後、一時放送局。社会懇話会世話人会。三時半去る。寮のホールえ行く。社研コンパ。
五時家えかえる。小百川の青年團員来る。團員の家で夕食。七時天神堀え行く。講演と座談会。九時半終了。
“光”（二月号）着。拙稿あり。
受信 母。
○二月四日（水） 曇 寒
午前、原稿。つずき。
午後、公共同書籍え本を持って行く。学校のホールえ行く。庭球部の送別コンパ。
夜、社研来る。
○二月五日（木） 曇 寒
午前、学校。文三、二十世紀の哲学。これで三年の授業わ終り。文一、話。文二、プロチノス。古代終り。
午後二時半、教授会。すぐ終わる。街え行く。山新えよる。五時、寮え行く。送別晩餐会。八時半終了。
“実存主義と社会主義”完了、発送。20枚也。
発信 世界文化社、第三書房、竹井出版。
受信 第三書房、竹井出版、須田宗興、松村一人、八木清。
○二月六日（金） 曇 寒
春になってから却って寒くなった。
午前、“働く青年たちに”を書き始める。
午後、学校。零時半から卒業式。後、記念写真。後、安田銀行え行く。三時からいせやで文甲三のコンパ。四時半終了。
この頃のようにゲル･ピンになったことわ珍しい。
夜、“働く青年たちに”完了。9枚也。
○二月七日（土） 曇 寒
午前、安田え行く。“働く青年たちに”発送。
午後、リポートをみる。
夜、遠藤がくる。
○二月八日（日） 曇 寒
午前、雑用。
午後一時、神谷さんの所えよる。リポートを届ける。二時、美松。民科研究会。“理論”
（第一号）をテキストにする。五時終了。
夜、鈴木、杉山、黒沢がくる。
発信 世界評論社、松村一人。
○二月九日（月） 曇 寒
午前、十時、学校。適性検査の打合せ。
午後からずっと家にいる
夜、雑誌をよむ。
○二月十日（火） 曇 寒
午前九時、学校。十時～十二時半、適性検査。つまらない問題である。
午後、大映え行く。“続金色夜叉”をみる。
夜、“性格調査”を書く。愚劣なものである。
○二月十一日（水） 晴 寒
午前、学校え行って調査書を出す。
午後からずっと家にいる。ひるね。小説をよむ。
夜、鈴木と金谷がくる。
この頃仕事をしないので、休養中の形である。漸く身体にも力がついて来た。
延世、家主え家賃を持って行く。
“独逸觀念論”の広告わ盛んに出るが、本わなかなか出来ない。
○二月十二日（木） 晴 暖
午前、学校。文一、小説の批評。文二、キリスト教。
午後、外出。マコト書房迄行く。春めいて来た。
今日わ郵便物が山ほど来た。郵便物も来るときわ一度に来るから妙である。“ドイツ觀念論批判”も製本中につき近日出来る由。冬書房から原稿料が来る。この一両日でゲルピンも脱し、ブルジョアになりそうである。
夜、雑用。
発信 冬書房、塙書房。
受信 北隆館、世界評論社、世界文化社、社教。
冬書房、河合和男、光の書房、塙書房。
○二月十三日（金） 晴 暖
午前、雑誌をよむ。郵便局え行って金を受取る。
午後、税務署まで行く。学校えかえる。二時半から教授会。全部卒業。五時終了。
大畑さんの轉任について発表あり。
“肉体の門”をよむ。
○二月十四日（土） 曇 冷
午前、学校。理一、小説の話。
午後、外出。高陽堂迄行く。
夜、鈴木守がくる。
余の誕生日。
花岡さんの所え行って風呂に入る。
受信 布川角左衛門。
○二月十五日（日） 晴 暖
午前、雑用。
午後二時、美松。土屋君の話。五時終了。
夜、明日の予習。
発信 布川角左衛門。
○二月十六日（月） 曇後雪 寒
午前十時～十一時。婦人文化学院。スピノザ。
午後一時～三時、社研。
又冬に逆戻りである。
“肉体の門”読了。
発信 須田宗興、河合和男。
発信 八木清、吉田収、週刊教育新聞社。
○二月十七日（火） 曇 寒
午前、読書。
午後、外出。大映で“夜の門”をみる。割合に面白い。
“人民の哲学”（中）読了。
しばらくたまっていたのを振替で一斉に支拂をする。
留守中に大井正来訪。
○二月十八日（水） 小雪 寒
珍しく家にいる。
午前、“三風整頓”をよむ。
午後、延世大映え行く。留守番をする。
“月刊大学（2月）”着。拙稿あり。
“マルクスの辯証法”を書き始める。
発信 今泉亨吉。
○二月十九日（木） 小雪 寒
午前、学校。文一、西田哲学の話。文二、中世哲学。
午後、安田、兩銀え行く。十日市で賑かである。学校えかえる。二時半から教授会。五時半終了。東北大学と合併の件等。
高橋氏から“人民の哲学（中）”の寄贈あり。
夜、雑用。雑誌をよむ。
発信 中京新聞社、婦人文化学院。
受信 中京新聞社、交通協力会。
○二月二十日（金） 快晴 暖
午前、原稿。
午後、学校。二時～四時、マーチンの座談会。つまらない。
夜、雑誌などよむ。
○二月二十一日（土） 曇 寒
午前、学校。理一、話。来週わやめにする。
午後からずっと家にいる。
原稿、つずき。
夜、社研三人来る。
受信 世界評論社、須田宗興、渡部善吉。
○二月二十二日（日） 晴 寒
午前、原稿。
午後二時、美松。民科。青島さんの文学の話。五時終了。
北隆館の本が中々出来ない。
夜、“郷土”の原稿“「堕落論」について”を書く。5枚也。
明日米沢え行く。用意など。
発信 中京新聞社、東北大学新聞社。
受信 東北大学新聞社。
○二月二十三日（月） 小雪 寒
米沢行。午前九時五十分山形発、十一時十分米沢着。公民中学え行く。米沢教組の支
部総会。午後一時～三時“哲学と文学の間”とゆう題で話をする。三時五十分米沢発、五時十分山形着。
郵便物が沢山来ている。“ドイツ觀念論批判”出来。2月21日に店頭に現れた由。“これからの哲学”わ稿了になっているが、紙が来ないので刷れない由。
“中京新聞”（2月18日・19日）着。拙稿あり。
“郷土”の原稿発送。
夜、停電になやまされる。雑用。
受信 鈴木平八郎、佐久間信、東京大学新聞社
○二月二十四日（火） 小雪 寒
午前、雑用。
午後一時～三時、社研。今日で終り。スターリン“辯証法的唯物論と史的唯物論”終了。後、街え行く。山田坂仁の“思想と実戦”が出ている。余の本わまだ出ていない。家の方にも来ない。
白石義明氏来る。塙書房の件。
塙書房の“実存哲学批判”の案を考える。
夜、花岡さんの所え行って風呂に入る。
受信 川又友三郎。
○二月二十五日（水） 小雪 寒
午前、手紙を沢山書く。
午後、外出。紘一郎の幼稚園の願書を出す。山新えよる。散髪。
夜、川岸の所え行く。
発信 高橋庄治、川又友三郎、須田宗興、佐久間信。
鈴木平八郎、大地書房、村山俊太郎、白石静男。
○二月二十六日（木） 雨後雪 寒
午前、文二、スコラ哲学。中世哲学終り。これで今学年の僕の授業わ終り。
午後、安田迄行く。高橋に“ドイツ觀念論批判”が来ている。家の方えはまだ来ない。 学校えかえる。二時半から教授会。五時終了。
“教育と文化”（第二号）出来。拙稿あり。
0.8ヶ月が土曜に出る由。
夜、新聞？
等をよむ。
受信 鈴木三郎、今泉享吉、東北大学新聞社、日本読書組合。
○二月二十七日（金） 晴 暖
午前、雑用。
午後、学校。一時半から組合総会。役員改選。委員長わ黒柳さん。五時終了。
発信 片山修三。
受信 片山修三。
再び原稿にかかる。
○二月二十八日（土）
午前、紘一郎、幼稚園の試験に行く。留守番をする。十一時帰ってくる。学校え行く。
午後、外出。遠藤で“ドイツ觀念論批判”を求める。霞城館で“焰の女”をみる。ルネ・クレールだが、余り面白くない。
夜、読書。
発信 佐久間信。
○二月二十九日（日） 曇 冷
花岡さんと一緒に師範え行く。九時半。高專教組の代議員会。
午後三時、終了。花岡さん、野島さんと共に美松え行く。民科。婦人問題。五時終了。
夜、明日の予習など。