○五月一日(土) 晴 暑
午前、学校。渡辺四郎氏来る。後、千歳公園え行く。メーデーの文化祭。余り元気が
ない。
午後、ひるね。頭痛、疲労。
夜、原稿。
明日からサンマー・タイム。
醇郎から“初等位相幾何学”が着く。
○五月二日(日) 曇小雨 暖
午前、雑用。“これからの哲学”20部着。
午後、外出。陽子と紘一郎を師範学校まで連れて行く。後、大映で“木曾の天狗”をみる。
夜、“ふすま”編集部員2人来る。後、原稿を書く。“主体性について”終了。19枚。
今日からサンマー・タイム。余り感心しない。
発信 鈴懸書房、醇郎.
受信 醇郎.
○五月三日(月) 曇後雨 冷
午前、雑誌などよむ。
午後、外出。高陽堂迄行く。古書店をみる。
“郷土”(4月号)出来。拙稿あり。
夜、明日の予習など。
受信 木水社.
○五月四日(火) 晴 暖
午前、学校。理一、話。文二、参考書について。
“文化人”の原稿発送。
午後、ひるね。雑用。
夜、雑誌などよむ。
発信 醇郎、東北大学新聞社、文連、木水社、キネマ旬報発行所.
○五月五日(水) 晴 署
午前、雑用。
午後、学校。三時から大学昇格委員会。
夜、“ふすま”編集員来る。
発信 文化タイムズ社.
受信 文化タイムズ社。世界評論社、日本読書組合、一高.
○五月六日(木) 晴 暑
午前九時半、学校。米沢工専と打合せ。
午後二時、学校。運動クラブ幹事会。三時から教授会。後、組合総会。
夜、明日の予習など。
○五月七日(金) 晴 暑
午前、学校。文三、近世哲学概觀。十時、校長、花岡さんと共に縣广え行く。大学問題打合せ。
午後二時半、学校。大学昇格委員会。
4月分俸給が漸く出る。
花岡さんはFeuerbachである。
延世わ余りに馬鹿正直である。全く技巧のないのが缼点である。
夜、読書など。
受信 母、東北大学新聞社、民友社.
○五月八日(土) 晴 暑
午前九時、学校。大学問題につき師範と打合せ。
午後一時からコート開き。久し振りでテニスをする。
“東北学生新聞”(5月5日)着。拙稿あり。
今日わ又恐るべく暑い。
夜、新聞などをよむ。
発信 民友社、社会教育連合会.
受信 芳惠書房(二)、大熊信行、社会教育連合会.
○五月九日(日) 晴 凉
午前、雑用。
午後、外出。大映で“土俵祭”をみる。
日食あり。
“ドイツ觀念論批判”10冊着。
夜、志村がくる。
受信 隅田常雄.
○五月十日(月) 曇 寒
午前、学校。月曜の授業わ今日が初めてである。文一、理一、話。文三、ルネッサンス。
午後、大井正氏来る。一緒に学校え行く。それから山新え行く。土屋氏、常井氏と会う。皆で十一屋え行く。別れて七日町書房え行く、佐々木氏と会う。“いせや”え行く。店名を“シラカバ書房”とする。
明日、校長、花岡さんと共に米沢え行く。
夜、手紙など書く。
発信 毎日新聞社、芳惠書房、佐久間信、大野正夫、隅田常雄.
受信 毎日新聞社、大野正夫.
○五月十一日(火) 曇 寒
午前九時駅え。花岡さんと一緒になる。九時半山形発、十時半米沢着。里美さん、途中から加わる。米沢工専え行く。
午後四時頃まで相談。里美氏先にかえる。花岡さん、工専の教官二人と共に小野川温泉え行く。ホテルに一泊。
○五月十二日(水) 曇 寒
午前七時半、小野川を去る。八時半米沢発。おくれて来た上野発青森行きによる。九
時半山形着。家で一休みして学校え行く。昨日寮にチブス発生。
午後三時、学校。組合総会。生徒大会の件。後、教授会。七時終了。
受信 林尚彦、醇郎、キネマ旬報発行所、須田宗興、八木英一.
○五月十三日(火) 晴 暖
午前、雑用。
午後、学校。二時、父兄会幹事会。新聞の件。三時から教授会。後、街え行って散髪。洋服屋えよる。
夜、入浴。“ふすま”の原稿“主体性について”を書き始める。
受信 鈴木平八郎、社教.
○五月十四日(金) 晴 暑
午前、学校。文三、人文派。
午後、外出。紅花劇場で“女”をみる。佳作。
夜、原稿。“主体性について”完了。8枚也。
受信 櫻井恒次.
○五月十五日(土) 晴 暑
午前、雑誌などをよむ。
午後一時、学校。大学昇格委員会。三時から教授会。後、テニスをする。
夜、鈴木守氏一人来る。
発信 宮﨑忍、須田宗興、醇郎.
○五月十六日(日) 晴 暑
午前、雑用。
午後、大映で“親馬鹿大将”をみる。
“辯証法と実存哲学”10冊着。
夜、明日の用意など。
山形も退屈である。
発信 母、芳惠書房.
受信 醇郎.
○五月十七日(月) 曇 暑
午前、学校。文一、理一、ヒューマニズム。文三、宗教改革。
午後、学校。校長、花岡さんと共に上の山え。月岡え行く。米沢工専/顧問團と一緒になる。懇談会に出る。花岡さんと共に山形えかえる。十時半上の山発、十一時山形着。
受信 文化人発行所、旭一美外、表現社、今野竹蔵。.
○五月十八日(火) 曇小雨 暑
午前、学校。理一、話。文二、ギリシア哲学。午後、大映で“好色五人女”をみる。
夜、雑用。
発信 文化タイムズ社、松元文二、神谷秀夫、布川角左衛門.
受信 松元文二、文化タイムズ社.
○五月十九日(水) 曇 寒
午前、学校。雑用。
午後からずっと家にいて雑誌をよむ。
発信 讀賣新聞社、人事興信所.
受信 讀賣新聞社、人事興信所、吉田収.
今日の”讀賣新聞”に拙稿あり。
○五月二十日(木) 晴 暑
午前、学校。雑用。
午後、街え行く。学校えかえる。三時から教授会。後、土屋、大野、野島、花岡、小松の5人で家で会議。
八時、学校。同窓会、父兄会の会合。
受信 社会教育連合会、日本出版協会.
○五月二十一日(金) 晴 暑
午前、学校。文三、自然哲学。女子附属え行く、父兄会。
午後、外出。紅花劇場で“受胎”をみる。
“讀賣新聞”着。
夜、入浴。雑用。
発信 社会教育連合会、日本出版協会、キネマ旬報発行所.
○五月二十二日(土) 曇後雨 暑
午前、学校。雑用。
午後零時半から一大で校友会文化部会議。一時半、地方委事務局。弁証法の話。四時
終了。
“理想”(5月)に梅本氏の“共同と批判”あり。
夜、雑誌をよむ。
発信 大西昇、佐久間信.
受信 佐久間信、醇郎、下地正夫.
○五月二十三日(日) 雨 寒
午前、予習など。
午後、文化映晝劇場で“大学の門”をみる。
林直道著“西田哲学批判”を買う。
夜、雑誌をよむ。
留守中に関氏夫妻来訪。
発信 日本読書組合.
受信 神谷秀夫.
○五月二十四日(月) 曇 冷
午前、学校。大学昇格問題で生徒大会。そのため授業なし。十時から委員会。
午後一時から教授会。東北大学は未だ決しない。
夜、山形新聞の原稿“肉体の文学について”を書く。4枚也。
青山書院の“性と生命”着。
学校え関氏来訪。
受信 キネマ旬報発行所.
○五月二十五日(火) 晴 暖
午前、理一、ルネッサンスの話。文二、ギリシア哲学の完成。土屋君教官室でスプリングと鞄をぬすまれる。
午後一時、青年師範え行く。一時半~三時、講演。後、座談会。
五時、学校。東北大学合併にきまりそうの由。
七時、いせやえ行く。庭球部コンパ。
今晩猛烈な雷雨あり。
“山形新聞”の原稿発送。
○五月二十六日(水) 晴 冷
午前八時半、学校。米工の教授等来る。九時、仙台から電話。東北大学としてわ山高合併に決定。十時、校長、花岡氏とともに縣廰え行く。高専校の会議。午後四時までかかる。学校えかえる。実行委員会を開く。
夜、雑誌などよむ。
発信 櫻井恒次、哲学会会計、壮文社、思索社、日本読書新聞.
受信 思索社、哲学会会計、日本読書新聞.
○五月二十七日(木) 晴 暑
午前、“理想”の原稿“キリスト教と実存哲学と唯物論”を書き始める。
午後、街え行く。雑用。学校えかえる。三時から教授会。後、テニスをする。
夜、原稿。
発信 植田清次.
受信 常井直正、岩波書店.
○五月二十八日(金) 晴後雨 暑
午前、学校。文三、 ブルーノー。米沢の森校長来る。十時幼稚園え行く。保護者会。
午後、学校。二時半~四時半、社研で話をする。
夜、金谷外一人来る。
鈴木三郎著“実存”の寄贈あり。
原稿、つずき。
発信 鈴木三郎.
受信 鈴木平八郎.
○五月二十九日(土) 晴 冷
午前、雑用。
午後一時、地方委事務局。弁証法の話。三時終了。旭座で“面影”をみる。
夜、原稿。関良一氏来る。後から土曜会の生徒2人来る。
発信 大西昇.
受信 大西昇.
○五月三十日(日) 晴 暑
午前、雑用。
午後二時、美松。久し振りに民科。田中正氏のヒステリーの話。
夜、原稿。
発信 醇郎.
○五月三十一日(月) 晴 暖
午前、学校。文一、理一、ルネッサンスの話。文三、ベイコンの偶像説。
午後三時から教授会。明後日仙台行く。
土屋君の盗品出てくる。事務員の由。
夜、“キリスト教と実存哲学と唯物論”完了。27枚也。
受信 榎川克己、ペン・クラブ.