○九月一日 (水) 晴 暑
おそく起床。
午後、学校。三時から教授会。後、哲学関係の人事。久し振りでテニスをする。
夜、たまっている新聞をよむ。二十日たまっていた用事を片ずけるのが大変である。
発信 布川角左衛門、須田宗興.
○九月二日 (木) 晴 暑
おそく起床。
午後、学校。街え行く。高陽堂まで行く。
昨日から授業開始。
○九月三日 (金) 曇 暑
文三、デカルト。
午後、三時から教授会。四時から組合總会。
夜、“主体性の行方”を書く。8枚也。
発信 鈴木平八郎.
受信 萩生眞義.
○九月四日 (土) 曇 暑
おそく起床。“主体性の行方”発送。
午後、旭座で“悪魔が夜來る”をみる。
夜、鈴木守外一人來る。
○九月五日 (日) 晴後雨 暑
おそく起床。
午後、外出。大映に橋倉さんを訪う。散髪。
夕方、金谷外一人來る。
夜、予習など。
受信 道家忠道.
○九月六日 (月) 雨後曇 冷
文一、デカルトの話。106貢（頁）迄。文三、デカルトとパスカル。三、四時間目、校長の挨拶。
午後、ひるね。
桑原武夫が京都え行く由。
校正をみる。116貢（頁）まで。
夜、予習。雑誌の整理。
発信 道家忠道.
○九月七日 (火) 曇 冷
理一、デカルト(後半)。文二、エムぺドクレス。
午後三時、学校。高橋里美氏に会う。坂本氏の件。
夜、読書。
○九月八日 (水) 曇 冷
午前、家にいる。
午後、学校。三時から大学昇格実行委員会。後、テニス。
次の三書到着。
武市健人著 ヘーゲル論理学の世界、下巻
眞下信一著 新しき世代のために
池島重信著 ドストエフスキーの哲学
夜、“哲学評論”の原稿書き始める。
発信 白石義明、武市健人.
○九月九日 (木) 曇 暑
午前、雑用。
午後、学校。三時から大学問題の公聴会。六時終了。
夜、原稿つずき。
発信 母.
○九月十日 (金) 晴 暑
午前、学校。文三、偶因論。
午後、紅花劇場で“肖像”をみる。佳作。
夜、原稿つずき。
めがねの枠をかえる。焦点が合ってよく見える。併し、却って疲れるようである。
サンマ・タイムもうんざりした。夜おそくまで明るいのわかなわない。
発信 民友社.
受信 白石義明.
○九月十一日 (土) 雨後曇 冷
午前、雑用。
午後、無為にすごす。延世、紘一郎“肖像”をみに行く。
今日でサンマ・タイム終り。
夜、花岡さん來る。
原稿、つずき。
発信 八木林二.
○九月十二日 (日) 曇 暑
午前、予習等。
午後二時、ニッセイ。久し振りの民科。十名。
夜、予習。原稿。
○九月十三日 (月) 曇 冷
午前、学校。文一、デカルト(後半)、文三、スピノザ(前半)、理一、デカルト。
午後からずっと家にいる。予習と原稿。
受信 須田宗興.
○九月十四日 (火) 晴 暑
午前、学校。理一、偶因論とホッブス。文二、アナクサグラス。
午後、外出。買物。家えかえったら渡辺清吉氏が來ている。
夜、“日本におけるドイツ觀念論研究の歴史”を書く。30枚で完了。
○九月十五日 (水) 晴 暑
午前、学校。教育振興会議結成大会。
午後、ひるね。子供をつれて街え行く。
夜、雑用。
○九月十六日 (木) 雨 冷
午前、眞下信一著“新しき世代のために”読了。
午後、学校。四時―七時、教授会。
颱風來る。豪雨。
“哲学評論”の原稿発送。
夜、佐藤等來る。
○九月十七日 (金) 晴後雨 冷
午前、学校。文三、スピノザ終り。
校長ファッショ化す。
午後、旭座で“天の夕顔”をみる。つまらない。
仲秋の名月。
夜、鈴木平八郎等來る。
受信 嶋田豊.
○九月十八日 (土) 晴 冷
午前、読書。
午後、外出。山新出版社えより須藤さんにあう。山新、高陽堂、ニッセイえよる。今井君の所え行く。不在。用件を書きおきする。
山本和著“実存と社会”をよむ。
発信 母、萩生眞義.
受信 母.
○九月十九日 (日) 晴 冷
午前、読書。
午後二時―五時、ニッセイ。民科。
番町の息子來る。
発信 嶋田豊.
○九月二十日 (月) 曇 冷
午前、学校。文一、理一、パスカルの話。文三、ロック、233貢（頁）迄。大野氏、野島氏と相談。
午後、ひるね。
“実存と社会”を書き始める。
受信 八木林二、白石義男、毎日新聞社.
○九月二十一日 (火) 曇 暖
午前、学校。理一、パスカル。文二、レウキッポスとオルフェウス。
夜、原稿、つずき。
○九月二十二日 (水) 晴 暖
午前、原稿、つずき。延世等幼稚園え行く。
午後、学校え行く。街え行く。旭座で“肉体の門”をみる。
夜、原稿、つずき。
○九月二十三日 (木) 曇 冷
午前、原稿。新聞、雑誌が沢山くる。
午後、外出。大映で“殺すが如く”をみる。
夜、“キリスト教における実存と社会”完了。30枚。
少し風邪気。
発信 中村吉治.
○九月二十四日 (金) 晴 暖
24，25，27，28の4日間試験。10月1日から第二学期。一校時、文乙二の立番。
午後、街え行く。買物など。
“実存哲学批判”の校正をみる。後一回で終りとなる。“文化史研究”の校正も來る。
明日出発。用意など。
発信 林省吾、嶋田豊、白石義男、林勝郎、今井宏.
○九月二十五日 (土) 晴 暖
午前、学校。一校時、立番。
午後二時家を出る。三時、山形発、六時仙台着。中村氏の所え泊る。
“理論”(7号)着。新編集委員発表、出隆、古在由重、森宏一、高桑純夫、眞下信一、山崎正一、小松摂郎、甘粕石介、山田坂仁、松村一人、の10人。
風邪気也。
○九月二十六日 (日) 晴後雨 冷
午前九時中村氏の家を出る。十時、仙台発。午後六時半上野着。省線で荻窪え。八時、林さんの家えつく。
○九月二十七日 (月) 晴 暖
午前、外出。政経ビルえ行く。甘粕さんに会う。本郷え行く。塙書房えよる。白石氏不在。大学新聞社え行く。長谷川氏に会う。世界評論社え行く。本堂氏に会う。尚彦氏の会社え行く。尚彦氏と一緒にかえる。
発信 のぶよ.
○九月二十八日 (火) 晴 暖
午前、三越本店で買物。世界評論社で林勝郎氏に会う。検印をする。
午後、塙書房え行く。白石氏來らず。大学新聞社え行く。鈴木平八郎に会う。学生書房え行く。金原氏に会う。後から櫻井氏來る。午後八時家えかえる。
発信 のぶよ.
○九月二十九日 (水) 曇 暖
午前、荻窪を見物。萩外荘を見る。
午後、銀座。日本評論社え行く。“理論”の編集会議。六時、明大女専え。民科研究会。出さんの話。八時半終了。
発信 のぶよ.
○九月三十日 (木) 晴 暖
午前、阿佐ヶ谷で切符、上野で急行券を買う。塙書房え行く。白石氏に会う。検印。
午後、北隆館え行く。佐久間信氏不在。銀座を歩く。
夜、鈴木平八郎來る。