○六月一日 (水)    晴 暖
おそく起床。
午後、学校。街え行く。
坂本氏帰る。
発信 母

○六月二日 (木)    晴 暖
午前、雑用。
午後、野島さんの奥さん来る。外出。箱の依頼。縣委員会えよる。名和氏の件。
北隆館から印紙来る。“独乙觀念論批判”残部831部を重版の形で出す。検印をする。
本を箱えつめる。それでもだいぶ本が減った。もう後わ少しである。

○六月三日 (金)    晴 暑
午前、雑用。
午後、前野さんの所え見舞い行く。学校え行く。山形大学の看板がかかっている。街え行く。大映えよる。箱の件。
検印表を北隆館え送る。
夜、佐竹さんの所え行く。
受信 高橋圀夫

○六月四日 (土)    晴 暑
午前、雑用。
午後、野島さんを訪う。
佐藤精也来る。民科のバッヂを持ってくる。
受信 八木清

○六月五日 (日)    曇後雨 冷
午前、須貝氏が箱を持って来てくれる。くずやが来る。
午後、教育会館。民科グループ会議。
夜、片付け等。
神戸から5千円送ってくる。
受信 高橋実、桃井律子

○六月六日 (月)    晴 暑
午前、雑用。
午後、二高生二人来る。後、外出。学校え行く。会計の件等。街え行く。
二階の書物だけ終了。
陽子、今日から学校え行く。
夜、手紙など書く。
受信 武市健人、醇郎、高橋実、民友社
発信 醇郎、芳村進、民友社

○六月七日 (火)    曇 冷
午前、雑用。郵便局え行く。
午後、街え行く。銀行その他。
小使が箱五ヶ持ってくる。
帽子を買う。
発信 母
受信 母

○六月八日 (水)    曇 冷
午前、高橋正司氏来る。映畫の雑誌を持って行く。
午後、外出。大映えよる。橋倉さん、留守。家え行く。引越しの件。
坂本氏来る。
書物の箱詰め終了。29ヶ也。片付けも進捗し、スワの分わ出せるようになった。
受信 新島繁

○六月九日 (木)    曇 寒
午前、雑用。
午後、裕二郎をつれて散髪に行く。後、大映え行く。橋倉氏不在。
夜、延世、花岡氏え行っていつまでもおしゃべりをしていて帰って来ない。花岡さんの奥さんもだらしがない所がある。陽子がプンプンにおこっている。陽子わ中々理論的である。
発信 醇郎、新島繁

○六月十日 (金)    雨 寒
午前、雑用。
午後、学校。大映え行く。運送屋明日来る由。
神戸から、金送った、との電報がくる。
炬燵がほしいほど寒い。
東京わ騒然たるものがある。国鉄のスト。明日わ橋本金二の葬儀。
発信 服部英次郎

○六月十一日 (土)    晴後曇 暖
午前、雑用。
午後、丸通来る。スワの荷造りを13、4日。神戸行わ3、4日後。街え行く。大映えよる。買物をする。
夜、八束さんと高波さんを訪う。
発信 母、醇郎、林省吾、坂本都留吉
受信 細谷恒夫

○六月十二日 (日)    曇 冷
午前、雑用。
午後、外出。買物等。
深瀬氏、荷造りしてくれる。
受信 武市健人
発信 桃井律子

○六月十三日 (月)    晴 暑
朝から丸通来る。割合早くはかどり、午後四時に終る。スワ行荷物合計44ヶ也。
午後五時半ニッセイえ行く。民科の送別会。二十数名。八時終了。
神戸から旅費来る。
発信 服部英次郎、武市健人、高橋実、鈴木平八郎、東京大学学生新聞会
受信 高橋実、東京大学学生新聞会、世界評論社、週刊教育新聞社

○六月十四日 (火)    晴 暑
午前、トラック来る。スワの荷物出発。学校え行く。校長等に会う。
午後、女子附属え行く。挨拶。陽子と一緒になり、街え行く。大映等えよる。
夜、延世、遠藤先生の所え行く。
発信 今井林太郎、及川正和、母
受信 今井林太郎、及川正和

○六月十五日 (水)    晴 暑
午前、雑用。
午後、坂本氏来る。引越しの打合せ。20日に来る由。坂本氏日帰り。後、外出。工藤辰馬氏、橋倉氏、丸通、細谷氏の所えよる。
午後六時、花岡さんの所え行く。村岡氏来る。余の送別会。

○六月十六日 (木)    雨後曇 冷
午前、学校。切符の件等。
午後、入浴。後、外出。佐治さんの所え行く。縣委員会えよる。
夜、片付け等。
発信 林省吾、醇郎、中村吉治

○六月十七日 (金)    晴 暑
午前、学校え行く。切符の購入を依頼。
午後、外出。市役所で移動証明をする。厄介なものである。家主え行って、家賃を拂う。高陽堂、マコト書房に挨拶する。大映えよる。
荷物の片付け進捗。明日丸通がくる。
転居通知22通発送。
夜、荷札を書く。
発信 今井林太郎、芳村進、産別、和郎
受信 百枝

○六月十八日 (土)    晴 暑
朝から丸通来る。鈴木氏、深瀬氏の手傳い、午後四時終る。120ヶに及ぶ。とにかく一日で終了。
午後六時、校長の所え行く。村岡氏、黒田氏同席。夕食の御馳走になる。九時辞す。
受信 坂本都留吉

○六月十九日 (日)    曇後雨 冷
午前、雑用。日曜のため丸通来らず。
午後、挨拶廻り。田中さん、柳原さん、田島さん、学寮。床屋で顔をする。共産党。大映。㐂多さん、黒田さん、深瀬さん、村岡さん、白石さん。
夜、花岡さんえ行って入浴。

○六月二十日 (月)    雨 冷
午前、丸通来る。トラック二台となる。後、学校え行く。各課を廻って挨拶する。佐藤氏の所え挨拶。
雨のため坂本氏来らず。
午後、挨拶廻り。黒沼氏、神谷氏、高橋書店、三沢書店、遠藤書店、共産党、大映。家えかえってから延世とともに隣組の挨拶廻り。
七時少し前、近江氏来る。七時自動車で駅え。見送り人多し。インターにおくられて、八時三十分山形発。
受信 醇郎
発信 井上増次郎

○六月二十一日 (火)    雨 冷
午前六時半上野着。省線で阿佐ヶ谷え下りる。僕と陽子が先に阿佐ヶ谷の家え行き、迎えに行って貰う。ひるね。
午後、新島繁氏を自宅に訪問する。
西の方も豪雨。東京も雨でいやな天気である。
夜、雑誌などをよむ。
発信 母
受信 母

○六月二十二日 (水)    曇後晴 暑
おそく起床。朝畫を兼ねた食事の後外出。本郷え行く。鈴木平八郎留守。大井正氏に会う。塙書房え行く。上野を歩く。東京駅え行って急行券を買う。北陵館え行って佐久間氏に会う。東京評論社え行く。“現論”の編集会議。古在、高桑、松村氏等に会う。
夕方、新島繁氏来る。

○六月二十三日 (木)    晴後曇 暑
午前五時起床。六時阿佐ヶ谷の家を出る。日時東京駅につく。七時三十五分東京駅発(鹿児島行急行)。汽車わすいている。子供連れなので神経を使うことが多い。
午後七時二十分大阪着。醇郎が迎えに来る。電車で吹田え。醇郎の家えつく。

○六月二十四日 (金)    晴 暑
午前、十一時、家を出る。神戸大学え行く。学長その他に会う。もろ~の用事を果す。民科の連絡等。
七時、家えかえる。和郎来る。
受信 三一書房

○六月二十五日 (土)    曇 暑
午前、家にいる。雑用。
午後、学校え行く。省線、阪急で丁度一時間半かかる。服部氏等に会う。三の宮え行く。兼松商店え行く。既に閉店。元町を歩く。
発信 三一書房

○六月二十六日 (日)    晴 暑
午前、雑用。
午後、延世、紘一郎、祐二郎をつれて本山村の家え行く。行きわ省線。荷物が昨日ついた由。かえりわ阪急による。
発信 黒田稲夫

○六月二十七日 (月)    曇小雨 冷
午前、家中で本山村え行く。ひる頃着く。間もなく和郎からの手傳い到着。
午後、学校え行く。トラックわ木曜でないと出ない。芳村、倉橋両君とともに本山村えかえる。荷の片付けで大騒ぎ。書物を内外法郷えあずかって貰う。七輪等買いに行く。漸くねられるようになる。
これで山形発以来漸く終焉に達した。

○六月二十八日 (火)    晴 暑
午前、学校。三四と五六校時に授業をする。哲学に関する一般的な話。久し振りの授業である。予科わ今週で終り。家から学校まで50分―1時間を要する。
夕方、買物え行く。
だいぶ家の中が片ずく。
発信 林省吾、林直道、母

○六月二十九日 (水)    曇後雨 暑
午前、本山村役場え行く。種々の用を足す。
午後、陽子、紘一郎をつれても本山第一小学校え行く。転校の手続きをする。余り感じのいい学校でわない。
夜、手紙など書く。
発信 山高教職員、橋倉武人、橋本都留吉

○六月三十日 (木)    雨 暑
午前、森氏来る。女中をつれていく。学校のトラック来る。本を学校えはこぶ。
陽子、紘一郎、今日から学校え行く。
午後、五時半、民科事務局。機関紙編集会議。七時半終了。
“教育公論”7月号着。
発信 眞下信一、明治図書出版社、日本出版協会、宮沢商店
受信 眞下信一