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これは大正4年八月に小松武平が作り始めたらしい,小松家歴代の当主の年代記である。大正4年と言えば武平は奈良師範学校に奉職しており、
大正五年には上田中学の校長に転じる。やはり諏訪に近い上田に来てから作られたものであろうか。まず年代表あり、江戸時代の開始、
元和から始め、明治に至る。次に「過去を明にして将来家系の永續と子孫の繁榮とを図り以て邦家に報ぜしめんとす」という前書があり、
この記録の元になった諸資料を述べる。ここに出てくる「小松長兵衛氏所蔵の古記録(安永年間の記録ならん)」というのが出てくるの
だが、今の所これは探し得ていない。次に系図があり、平重盛から始まっているが、このあたりは十分フォロウできない。生没が詳しく
書いてあるが、どれほど信頼できるかな疑問である。重盛の次に資盛の名前があるが、資盛は壇ノ浦で25歳(又は28歳)で死んだことに
なっているが、この系図では嘉禄二年六十七歳でしんだことになっている。重盛から10代目に忠実がいて、元亀三年に63歳で死すとある。
この人が甲斐国へ西国から来て天文十三年武田信虎から「忠義有」として「永拾貫文」を貰ったとある。天正十五年小松理兵衛が上諏訪
灰原田に住み始めたとあり、その次男茂右衛門が第一代当主ということになっている。没年が正徳元年(1711)だから、17世紀半ばぐら
いから埴原田に住み始めたということになろうか。私はそれから十代目になる。

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