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これが戒名札の全部を年代順に並べてみたものである。全部一枚に二人の名前が書かれているので、実際の枚数はこの半分である。最後の米治のものは特にサイズが大きい。昭和六年の妻とくのも米治の大きさにならったものであろう。白紙に書いたのは表面が黒くなって字が読みにくいので、書き直した。こういう札はどうも繰出位牌というらしい。「複数の位牌を一つにまとめてまつります。戒名を記した板を命日の順に並べ、命日が終わると後ろに回します。」(『冠婚葬祭のことば』ことば舎編著 評論社 2019.1.20)家の仏壇にはそれを入れるような箱みたいなものは見つからなかった。時間的に二百年ほどの間があるので、数人の人の手になったように見えるが、筆跡を見ると最初の半分ぐらいは同一人の手になるように見える。超岸蓮光信士や松譽操光信女なんかは明らかに他の人のようである。やはりある程度の祖先が増えてきたところで仏事があってまとめて書いたか、お寺の和尚に書いてもらったのだろうか。一枚目の正徳元年四月初八日とあるのは、四月初八日は釈迦の誕生日と言われる日で、あえて初八日という言葉を使ったのだろうか。外に宝暦五年に四月初四日、宝暦七年に五月初八日が見える。仏教用語は今よりは親しいものであったろう。和尚が書いたなら当然かもしれないが。正徳元卯天だがこの天は年の意味であろうが、この使い方はちょっと分からない。